月が欲しいと泣いている
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ようやくこの日を待ちわびた
それなのに
『たいちょー、たいちょーももう行っちゃうの?』
「もうたいちょーやないって言うとるやろ
真子でええって」
『真子、もう行っちゃうの?』
「アホなんちゅー顔しとんねん
俺は死ににいくんとちゃうぞ
あのふざけた野郎をブチかましにいくんや」
『うん、知ってる』
「なんやねん、その返事」
こいつはなかなか行かせてくれんらしい
クシャリと髪を撫でるのはもう101年以上前から変わらない癖や
自身の憧れだと入隊以来押しかけてきたあの頃から
はじめのうちは男の約束と面倒をみてきたが、いつの頃から関係なくなってしまってた
あんなん純な目ェでみられ続けたら
誰でもそうなるっちゅーに…
知らぬ間に伸びた背が時の流れを感じさせた
彼女を失ってから101年
『……たいちょー、私実はねッ』
「おいたぬき!!
お前ばっかり背ぇ伸びよって!
帰ってきたら説教やからな!!」
「おい、ひよ里
戦う前から体力使ってんじゃねーよ」
「なになにー白もまぜてー」
『わわっ!白ちゃんくっ苦しいよ』
「おい、お前ぇまで混ざると収集がつかねーだろ!やめとけ!!」
「結界張った方がイイでショウカ?」
「放っときなよ、ハッチ」
「マシロキッーーーーク」
「グエッ、なんで俺なんだよ!!」
「あんたらいい加減にしい!」
「…アレ終わるまで暇だな…ジャンプでも読むか」
101年前守れなかったあの笑顔を
今度こそ守ると
「ハイハイハイハイ、なに遊んどんねん!いくで!!じゃ、たぬき行ってくるな」
『うん!みんな、いってらっしゃい!』
「「「「「「「「行ってきます!!!」」」」」」」」
もう一度たぬきの頭をクシャリと撫でた
もう二度お前を死なせたりはせん