月が欲しいと泣いている
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流行病で母が亡くなった
その時からだった
父がかわってしまったのは…
父は言う
「もこもこ家に見合う人間になりなさい」
見えない鎖が私に絡んでゆく
苦しい
苦しいよ
助けて
そんな叫びも誰に言えばいいのかわからなかった
「流石、もこもこの子だ」
父が褒めるたび見えない鎖がいっそうキツくなった
侍女たちも母が亡くなってから数えるほどしかいなくなって、腫れ物を見るように私から距離をとっていた
「もこもこ家の当主たるもの誰かになぞ頼るな」
父の背中は大きく、そしてときどき小さくも見えた
母を亡くして一番辛いのは父なんだと幼心に思った
父は優しい人だった
誰より優しい人
なかないでととさま
たぬきはいいこにしてるから
わらってととさま
たぬきはりっぱなとうしゅさまになるから
『もこもこけ10だいめとうしゅもこもこたぬきでございます
おはつにおめにかかりこうえいでございます』
それが私の一番古い記憶
その時からだった
父がかわってしまったのは…
父は言う
「もこもこ家に見合う人間になりなさい」
見えない鎖が私に絡んでゆく
苦しい
苦しいよ
助けて
そんな叫びも誰に言えばいいのかわからなかった
「流石、もこもこの子だ」
父が褒めるたび見えない鎖がいっそうキツくなった
侍女たちも母が亡くなってから数えるほどしかいなくなって、腫れ物を見るように私から距離をとっていた
「もこもこ家の当主たるもの誰かになぞ頼るな」
父の背中は大きく、そしてときどき小さくも見えた
母を亡くして一番辛いのは父なんだと幼心に思った
父は優しい人だった
誰より優しい人
なかないでととさま
たぬきはいいこにしてるから
わらってととさま
たぬきはりっぱなとうしゅさまになるから
『もこもこけ10だいめとうしゅもこもこたぬきでございます
おはつにおめにかかりこうえいでございます』
それが私の一番古い記憶