月が欲しいと泣いている
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織姫さんの家に向かう
戦いに備え、喜助のところで調整することになった
織姫さんのところにはもう戻れないだろう
お世話になった織姫さんに一言言わねばいけない
『織姫さん、私これから喜助さんところにお邪魔することになりました』
「そっかー、なんだか寂しくなっちゃうなー」
『短い間でしたがお世話になりました
お世話になったのが織姫さんでよかったです』
「ぇえー、そんななにもしてないよー!」
『いいえ、沢山のこと教えていただきました』
明るくハツラツとした彼女は昔の親友を彷彿とさせた
彼女は愛染の計画によって死んでしまったけど、生きていれば彼女ともこんな風に過ごせたかもしれない
「たぬきちゃんもあの戦いに参加するの?」
『はい、織姫さんは…』
「私は…まだ考え中なんだよね!」
『そうですか…無理する必要はありません
とても大変な戦いですから』
彼女には無理してほしくないと思った
生半可な覚悟と力じゃ死んでしまう…あの時の彼女のように
「…たぬきちゃんはさ…大切な人とかいる?」
『えっ?』
「やっぱりないでもない!!気にしないで!!」
気にしないでと言うわりに
目はそんなこと言ってなくて
『…いますよ、大切な人』
巻き込むまいと思いつつ
彼女になら少し話せる気がした
「えっ…」
『ちょっぴりイタズラ好きで我儘ですが、笑顔が素敵な暖かい人です』
「……そうなんだ」
『私は彼にこれ以上傷ついてほしくありません
だから、この戦いに挑むと決めました』
「………」
『…織姫さん?』
「私にも…いるの、守りたい人…」
『はい』
ぁあ、やっぱり彼女は似ている
「でもその人とっても強くって私なんかが守らなくても全然困らないんだけどね!だから、私どうしていいのかわかんなくなっちゃってて…」
『はい』
これと決めたことには頑固で一途で
「彼には守りたい人がいて私もその1人で…なにも出来なくて…」
とても心が澄んだ素敵な人だ
『織姫さんをそこまで悩ませるなんて、とても素敵な方なんでしょうね』
「っうんそうなの!とっても素敵で真っ直ぐな目をした人なの…」
『泣かないでください
織姫さんにもきっとできます
織姫さんらしい、選択があるはずですよ』
彼女が虚園に消えたのは
それからしばらく経ってからだった