月が欲しいと泣いている
change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
肩にのるこいつは大人しい
言いたいことはぎょーさんあるし
ひよ里たちも一発かましたいやろう
たぬきが生きてるってわかった今
やりたいこと言いたいことは数あれど
いっちゃん最初に…いや2番目に浮かんできたあいつのところに足は向かっていた
「邪魔するでー」
「えー邪魔するんなら帰ってください」
「あいよーってこんなことしてる場合か!!」
「平子サン、急になんの…よう…」
俺がたぬきと出会ったときにはその関係は出来上がっとったし
たぬきとこいつがどう出会ったかは知らんしどう思っとったかも知らん
でも
こいつがたぬきを見る優しい目も
たぬきを失った夜も
たぬきの命日に毎年毎年なにしてるかも
俺は見てきてんねん
『たいちょー!苦しいです
そろそろ下ろしてくださいー』
「ぁあ、すまんすまん」
『もー、たいちょーは乱暴なんだから…』
そこでやっとたぬきはあいつをとらえる
あいつも信じられないといった表情で目を見開いとる
『きすッ』
たぬきがその名前を呼ぶよりも先に俺でも姿を追うのがやっとの速さで抱きついていた
『喜助…苦しいよ…』
「たぬき、よかった…」
絞り出すようにその一言を言ったきり
そいつはしゃべらんくなった
代わりに、きつくきつく抱きしめていた
たぬきも返事と言わんばかりに負けないくらい強くあいつを抱きしめた
おいおい、俺がおること忘れんといてなー
そこに言葉はなくとも
しっかり気持ちは伝わっとるようやった
まぁ、感動の再会っちゅーやつやな
俺は出来る男、平子真子やからな
しばらくは目ぇつぶって邪魔せんといてやるわ
感動の再会もここまでやしな
…あいつのことも言わなあかんやろ
たぬきを見つけて
いっちゃん最初に浮かんできたあのがきんちょのことを