月が欲しいと泣いている
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それは突然の出来事だった
彼女の訃報を聞いたのは
彼女の墓石の前で立ち尽くす
いくら呼んでももう彼女からの返事はない
独りぼっちで立っていたそこに
ザッと誰か後ろに立った音がした
「…たぬき?」
『……ギンッ』
「おん、ボクはここにおるよ」
『たっちゃんが…同期の子があの事件にねっ』
「……そぉか」
9番隊に入った彼女はメキメキと力をつけ若手ながらも流魂街を襲っていた魂魄消失事件で先遣隊に選ばれていた
その彼女が巻き込まれた
六車隊長たちが見つけた時には死覇装しか残っていなかったと…
“たぬき!うむうむ、今日も可愛いのー”
明るく私の名前を呼んでくれた彼女はもういない
彼女のお墓の前で涙はぽろぽろと枯れることを知らない
『ギンはいなくならないよね、ずっといるよね』
「たぬき、泣かんといて
たぬきに泣かれるとどうしてええかわからんくなんねん」
『…ギン』
なんでギンがそんな顔をするの?
悲しいような寂しいような顔をして
ギンも大切な人をなくしたの?
私が話そうとすると
ギュッと抱きしめられた
「たぬき、もう今日は帰ろ…風邪、引いてしまうよ」
冷たい風が2人の間を吹き抜けた