月が欲しいと泣いている
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隊長命令とあれば従うしかない
今日の約束及び今後しばらくの約束ができないことを報告に行く
その足のなんと重いことか…
「なんや、たぬきやんけ」
「たぬき?どうしました?」
12番隊舎に入るや
いつもと違う様子に実験用のエプロンをつけたひよ里先輩と喜助がすぐに声をかけてきてくれた
『ひより先輩、喜助…』
「おや、地獄蝶…たぬき少し待ってもら…」
《通告!通告や!5番隊もこもこたぬきに1ヶ月“餌付け”禁止や!繰り返すで!…》
地獄蝶が告げた通告に事態を察した2人は哀れみの目でまたこちらを見た
「ありゃー」
「なるほどな、それで元気ないわけか」
『…ごめんなさい喜助
今日の餡蜜食べに行けないの』
「そうッスね、僕も甘やかしすぎてたかもしれません」
そう言って
いつも以上に優しく頭を撫でてくれた
……喜助なら内緒でくれるかもしれない
私にお汁粉かけたくらい甘い喜助に悪い考えが頭をよぎった
『喜助、少しだけお菓子ちょうだい?』
「ッ!!」
「あかんでーー!!喜助、ここで甘やかしたら
癖になってまう!子育ての基本や!!ここは心を鬼にしてやな!」
『お願いッ、ママ!!』
「ッッッ!やっぱり僕には無理ッス!」
「おい!」
「僕は1ヶ月局長室に籠りますからひよ里サン!後は宜しく頼みましたヨン!」
「あっ!おい!!喜助!!」
言うが早いか
喜助は勢いよく局長室へ飛び込みばたんと扉を閉めた
「…たぬき、アレはあかんて」
『ごめんなさい…』
流石にひよ里先輩からお叱りを受けた
ついほんの出来心で軽い気持ちでやってしまった
などと万引きした犯人のような言い訳しか出てこない
「なんだネ、騒がしいと思ったらまたキミか…」
『うわっ!』
「ゲッ、マユリ」
「ゲッとはなんだゲッとは」
振り向くと奇妙な格好をした男が立っていた
出会ったことのない人種に吃驚した
「あかん!たぬき、はよ逃げぇ!喰われてまうで!!」
『ぅえっ!?くっ喰われる!!』
ありえない事でも目の前のこの男ならやられそうで慌てて逃げる
「全く私はゲテモノは食さないのだ…」
『しっ、失礼しました!!』
「ヨ……なんなんだネ、あの失礼な小娘は!」