月が欲しいと泣いている
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彼女を見つけるのは簡単や
彼女から漂う香り
例えるならそう
月
凛と澄んだ香りは
姿を見ずともどこにいるかわかるほど
雨の中それにつられて歩んで行けば自ずと
ほらおった
「たぬき」
『……ギン?』
紅く染まった頬に荒い呼吸
「たぬき、大丈夫?」
たぬきが地獄蝶で不調を飛ばすのよりも早く、彼女の香りが強まったのを嗅ぎつけてきたのだ
手を乗せた額は熱い
『ヘヘッ、ギンの手冷たいねぇ』
余程気持ちがいいのか乗せた手に擦り寄ってくる
いつもは見れないたぬきに胸がドキドキする
このどこまでも広い屋敷にたぬきは独り暮らし
外が雨のせいなのか室内の空気はひんやり冷たい
両親をもう既に亡くしているのは噂で聞いているし
なんやったら入隊時の書類で見てしまっている
あの月の下でたくさん話してた家族のこと
彼女の中でどれほど大きいかはわかっとるつもりやった
「この前の隊長はんたちとの飲み、どうして僕誘ってくれへんかったん?」
相当辛いのかまた夢の世界にいってしまったたぬきからの返答はない
汗でベタついて頬についた髪をはらう
「たぬきには僕がおるよ
だから僕にはたぬきがおってな」
返答のない会話を1人で続ける
今はまだ出来ひんけど
いつかアイツを倒して
たぬきを幸せにするから
彼女から漂う香り
例えるならそう
月
凛と澄んだ香りは
姿を見ずともどこにいるかわかるほど
雨の中それにつられて歩んで行けば自ずと
ほらおった
「たぬき」
『……ギン?』
紅く染まった頬に荒い呼吸
「たぬき、大丈夫?」
たぬきが地獄蝶で不調を飛ばすのよりも早く、彼女の香りが強まったのを嗅ぎつけてきたのだ
手を乗せた額は熱い
『ヘヘッ、ギンの手冷たいねぇ』
余程気持ちがいいのか乗せた手に擦り寄ってくる
いつもは見れないたぬきに胸がドキドキする
このどこまでも広い屋敷にたぬきは独り暮らし
外が雨のせいなのか室内の空気はひんやり冷たい
両親をもう既に亡くしているのは噂で聞いているし
なんやったら入隊時の書類で見てしまっている
あの月の下でたくさん話してた家族のこと
彼女の中でどれほど大きいかはわかっとるつもりやった
「この前の隊長はんたちとの飲み、どうして僕誘ってくれへんかったん?」
相当辛いのかまた夢の世界にいってしまったたぬきからの返答はない
汗でベタついて頬についた髪をはらう
「たぬきには僕がおるよ
だから僕にはたぬきがおってな」
返答のない会話を1人で続ける
今はまだ出来ひんけど
いつかアイツを倒して
たぬきを幸せにするから