月が欲しいと泣いている
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『喜助、私5番隊にいくことに決めたの!!』
「ぇえ!?卒業したら僕たちのところにくる約束だったじゃないッスかー!僕すっごい楽しみにしてたのに」
『もう決めちゃったから、ヘヘッ』
久々に会ったと思ったら突拍子も無いことを言う
こんなところ誰に似たんだか
「良いではないか、喜助!
たぬきが決めたことじゃ」
「夜一さんまで…」
すでに酒を飲んで上機嫌の夜一さんはたぬきの味方をする
こうなっては僕の味方などいない
たぬきは夜一さんを味方につけたことがわかると
より一層にこにことこちらも見てくる
「はぁ…」
『ねぇ、お願い!喜助!!』
最後に笑えば許してくれるなんて思ってる彼女に
わかっていても反抗ができない自分の甘さに
自分でもほとほと呆れてしまう
娘はまた一からする恋のようだと誰かが言ったっけ
似ているようで全く似ていない感情
いつか彼女は自分の手元から離れていってしまう
これもきっとその一歩なのだろう
「まぁ、しょうがないッスね
貴方が決めたことだ、僕は応援しますよん」
『ありがとう喜助!!』
「イジメられたらすぐに言うんスよ!
僕が全力で潰してみせます!!」
「まったく困ったバカ親じゃ」
少しずつ成長していく姿に
あの娘の母親の面影が濃くなる
彼女との約束は僕は守れているだろうか
彼女もあちらで同じように笑ってくれればと
天の原に映える梅の花を見上げた
