月が欲しいと泣いている
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『あっ、ギンだ』
「あれ、たぬきやん
どうしたん、こんな時間に」
『忘れ物しちゃって』
忘れ物をし、遅くなった帰り道
ばったりとギンにあった
『ギンは?
どうしたの、こんな時間に』
「えー内緒っ」
『なにそれ』
最近ギンは私に隠し事をしている
いや、再会してからずっとだ
あの窓から見たギンの違和感はきっとそのせい
私の疑惑が確信に変わる
私はあのギンの笑顔は知らない
誰
か
が
ギ
ン
の
笑
顔
を
奪
っ
た
ん
だ
「…たぬき?」
『あっ、なんだっけ…?』
「危ないから送ってくよ
月見でもしながら、な?」
握られた手は少し冷たかった
まだ日の沈み切らない空に薄くかかる月の下
それ以上やっぱり聞けなかった
聞けないまま
それから間もなくギンは卒業となった