月が欲しいと泣いている
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“市丸ギン”
その名前が耳に届くまでそれからすぐのことだった
とても優秀でどんどん飛び級をしてるらしい
きゃーきゃーと噂をしている女の子たちの声を聞いた
ざわざわと浮き立つ先生を見た
一度知ってしまえば、前も後ろもその噂で持ちきりのようだった
意識してないだけでこんなにも情報は遮断されるものなのかと、変なところに妙に感心してしまったところをたっちゃんに殴られた…イタイ
その噂を聞き、探してはみるものの本当にこの校舎にいるのかと疑うほど見つからず
そして…やっと見つけたのは
迎え梅雨で雨空の広がる下で
きゃーきゃーと黄色い声がした方に
窓から見下ろした渡り廊下にあなたはいたのです
遠くから
遠くから
少し背が伸びて
少しだけ大人っぽくなった
貴方を見つけて
置いていってしまったと思っていたのに
なんだか置いていかれてしまったような感覚に見舞われて
ちらりとギンがこちらを見た
…気がした
胸がどきりと跳ねた
あんなに会いたいと思っていたのに
「たぬき?どうしたのー、早く行かないと授業遅れちゃうよー」
『うん、今行く』
なんだか知らないギンがいた気がして
私はギンから目を離した