Love is …
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帰ってきた倉庫は何も変わっていなかった
窓から入り込む日が夕暮れを知らせている
『戻ってきたの…?』
「ご安心を
貴女が時空変更線を超えてから数時間しか経っていません」
本当に帰ってきたみたいだ
17時の町のチャイムが聞こえる
なんだか懐かしい気分だった
嬉しい、けど同時に寂しい
「では、我々も長居は出来ません」
『あの!局長さん!』
「なんですか?」
『おばあちゃんは自分の親や兄妹のことあまり喋らない人でした』
「…そうでしょうね」
『でも私が生まれた時、妹に似て可愛いって言ってくれたんです!
だから…そのッユウヒ叔母さんって呼んでもいいですか?』
「…はい、お好きにどうぞ」
そう言ってたぬきの頭を撫でた
たぬきがおばあちゃんに撫でられたようにくすぐったかった
夕日に照らされて彼女は来た道を戻っていけ
その後ろをマーレも続こうとするがたぬきに声をかけられ静止する
珍しく黙っていたのは、目から溢れ出る涙を堪えているからだった
マーレは最初たぬきが時空を超えてきたことなど知らなかった
多少強引ではあったけれど同年代の子達と同じようにたぬきと笑いあって楽しかった
管理局員の任務をはじめてやらなかった
けれと、後悔していなかった
後悔したのは自分の力不足
そんな彼女に局長は優しく肩を叩き背中を押し出した
『マーレ…』
「ったぬき、私立派な局長になってまた帰ってくるから!!
絶対絶対帰ってくるから!!」
握られた手は初めて出会ったと違い、優しくて柔らかて暖かなものだった
マーレに振り回されるのはたぬきは戸惑いはしたが苦ではなかった
彼女もまたたぬきを優しく迎え入れてくれた
彼女と交わした約束は数あれど、その約束を破ったことは一度もなかった
『うん、待ってる
いつまでも』
そう言ってマーレも去っていった
1人残された倉庫
マーレが局長になるのも、ツナさんが迎えにくるのも
それはいつになるのだろうか
明日か
明後日か
1年後か
はたまた10年後か…
いつ迎えにきてもいいように、やらなければならないことが沢山ある
そう思うとたぬきは倉庫を出て駆け出した
倉庫に入った時と違うのは、たぬきには皆からもらったたくさんの愛ある
Love is best.
愛は最上なり
愛を胸に少女は生きていく
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