アニバーサリー!4周年!!
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「待たせちゃってごめんね
ちゃんと2つの世界を行き来出来る様にするのに時間がかかっちゃったんだ」
『えっ…行き来が出来るんですか?』
予想外の言葉に驚いた顔をしたたぬきに、その反応が見たかったと言わんばかりにツナはニコッと笑った
「そうだよ
たぬきが望むならね」
本当はたぬきを連れ戻すだけならもっと早い段階で出来ていた
しかしツナは言葉通りたぬき全部が欲しいと考えた時、これが最善だと直感した
「パラレルワールドに詳しい知り合いがいてね
協力してもらったんだ」
パラレルワールドに詳しいだなんて、ファンタジー作家だとしてもおかしいが、ツナは平然と続ける
それに協力なんて優しい言葉を使っているが、本当の事などたぬきには言わなくてもいいことだ
知らなくていい
迎えに来る王子様が道中何をしていても、そんなこと城で待つお姫様には関係ないことだから
好きな人の前ではカッコいい自分でいたいと、そんな普通の感情を感じられる幸せをツナはずっと求めていた
「もちろん時空管理局の次期局長にも協力してもらったんだ」
『マーレも…?』
懐かしい名前にたぬきの顔が緩んだ
きっと彼女も約束通り夢を叶えて会いに来てくれるはずだからだ
「本当はたぬきの大学の卒業を待ってからにしようとしてたんだけど、会いに行けるって聞いて我慢ができなかった」
ツナにたぬきもまた答えようと、恥ずかしそうに口をひらこうとする
「たぬきー!!!今度のテスト範囲のノート貸しッ!」
すっかり忘れていたがここは学校
たぬきがいつも昼休みにここにいることを知っていた友達に遮られてしまった
友達は一瞬しまったと言う顔をしたが、すぐににやにやと表情をかえた
「もしかしてたぬきの彼氏さん!?」
「ふふ…今はね」
「ちょっとやだー!本当に黙ってたんだ!
お邪魔しましたー!」
水を得た魚のように生き生きとした友達はさっていった
ノートはもういいのだろうか、もたつく手でやっと取り出したノートの行き場を失った
これでは明日にでも広まっているだろう
慌てた様子のたぬきとは対照的に笑みを崩さないツナにはこれも計算の内のようだった
「ここじゃ騒がしいね」
そしてツナはひとつたぬきにお願いをした
「会いたい人がいるんだ
連れて行って欲しい」
『えっ…?』
Who Cares? I’m happy just standing here next to you, Charles
いいでしょ?あなたのそばに立ってるだけで幸せなの
がんばる少年にささやかな贈り物なんていらない、少女さえいればいいんだ