アニバーサリー!4周年!!
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もうすっかり慣れてしまった帰り道をギンと歩く
その時、空気が揺れた
《ギョヮァアアアアアア》
「!?」
『?』
ギンが慌てて繋いだ手を引っ張って走り出した
「たぬき、こっちや」
『うっうん!』
多分だけど虚がいるのだろうと思った
私は完全に霊力がなくなって、何も感じなくなってしまったから何も分からない
「たぬき、しゃがんで」
ギンの言うことを信じるしかないけど、ギンの言葉に考えるよりも先に身体が動いた
しゃがんだ瞬間、横にあったゴミ箱が吹き飛んでいく
確かにそこに何かがいるのを感じさせる
逆にそんなことでしか虚の存在を感じられない
『ギン、どうしよう』
その時、ギンが唱えた
「縛道の一、塞(さい)」
名もなき虚は一瞬動けなくなった…ようだった
「たぬき、こっちや!」
ギンに手を掴まれ、また走り出す
「つっよぉ〜
大虚か思たわ」
なんとか逃げ切れたギンは息を切らし笑いながらそう言った
それよりも何より驚いたのは、ギンが縛道を使ったことだった
『ギン…霊力が』
「驚いた?
店長さんにちょっと修行してもろてん
驚かせよと思て黙ってててんけど…バレてもうた」
悪戯っ子の憎めない笑顔
先ほど聞いても答えてくれなかったのはそう言う理由だったんだ
ごめんなとギンが謝る前ギンに抱きついた
「たぬき?」
『よかった…ギン
私のせいで霊力なくなっちゃったから…
もう、戻らなかったらどうしようって…
本当によかった…』
ぽろぽろと涙が止まらない
だってギンはとっても強くて…
霊術院をたった一年で卒業して…
五番隊入隊と共に席官の座が用意されてて…
なのに私のせいで力が使えなくなっちゃって…
それで…それで…
「ボク、たぬきに泣いてほしくて頑張ってたわけやないよ
たぬきに笑ってほしくて頑張ってたんや
まだまだ頼りないのは情けないんやけど」
そんなことないと必死で首を振る
「僅かな我儘だってボクには言うて
そのためにボクはまた強なるから」
こぼれた涙をギンが拭き取ってくれた
ギンはいつだって強くって頼りになるのに