アニバーサリー!4周年!!
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「市丸さーん」
『喜助、ギン探してるの?』
「聞きたいことがあるって呼ばれたんです
手が離せないから後でと言ったらコレッスよ
全くあの人はどこ行ったんだか」
喜助はハァとため息をついて、2、3度ギンの名前をまた呼ぶが返事がない
探そうかと声をかける前に喜助が言った
「しょうがないッスね
たぬき、キッチンの戸棚に鉄斎さんのおやつが入ってますからいつでも食べてください」
頭を優しく撫でると喜助はそうだとポケットから紐を取り出した
「たぬきも髪が伸びできましたね〜」
髪をまとめると少し高めの位置で、その紐で縛ってくれた
どうやら髪留めだったみたいだ
鉄斎さんのようにとはいかないが、喜助は満足気に笑った
『ありがとう、喜助』
「いえいえこれくらいなんてことないッスよ」
また髪を撫でると喜助はまた研究室のある地下へと戻って行った
ギンを探す気なんて最初からあまりなかったみたいだ
用意されたおやつは、美味しそうな干し柿が2つ並んでいる
ギンと一緒に食べよう
ギンを探さなきゃ
浦原商店から出て何本かの道を抜ける
ギンは何処だろうか
それにしても、今日はいい天気だ
青空も澄んでいる
「あっ!たぬきちゃんだ!」
『織姫さん』
101年の眠りから覚めて1番初めに会った人物であり、今はなんとあの愛染を倒した黒崎一護と付き合っているらしい
ことあるごとになぜだか声をかけてくれる
『お久しぶりです
黒崎さんはお元気ですか?』
「そうなのー!
聞いてよ、たぬきちゃん!
黒崎くんったらね」
その黒崎くんにはまだ会ったことがないが、とてもいい人そうだ
織姫さんの笑顔がそう物語っている
「たぬきちゃん、今日も聞いてくれてありがと!
これ余り物だけど、あげるね!」
そして、今日もまたケーキ屋でアルバイトをしている彼女からケーキやパンをもらった
『ありがとうございます!!』
聞き役の対価としては十分だ
ばいばーいと大きく手を振る織姫はいつまでも出会った頃と変わらない若々しさがある
「おっ!たぬきやんけ!」
織姫を見送ってひとつ通りを抜けると、そこには赤いジャージにヤンキー座りで佇むひよ里先輩がいた
『ひよ里先輩!
今日はひとりですか?』
あの事件後も現世に留まった羅武さんとハッチさんは見当たらない
なのにこんなところでなにをしているんだろう
「お前とギンと一緒にすんな
フラフラすんのはええけど、暗くなる前には帰れよ」
『あっ!
ひよ里先輩、もしかして喜助のお手伝いですか?』
「アホかッ!逆や逆!!
ウチがアイツを助けてやってんの!!」
どうやら図星のようだった
「あのがきんちょはどこや」
『今探してるんです
ひよ里先輩見ませんでした?』
「たぬきが見つけれんアイツをウチがどう見つけぇちゅーねん
あのがきんちょもほんっっっま成長せんな
たぬき、いい加減捨ててまえ
このお菓子やるから、たぬきは早よ帰り」
そう言って袋いっぱいに詰まったお菓子を手渡される
『ひよ里先輩、これ』
驚いてひよ里先輩に目を向けるとひよ里先輩はもういなかった
力のない今の姿ではもう探し出すことはできない
『前に欲しいって言ってたの覚えててくれたんだ!』
やっぱり喜助が言う通りひよ里先輩は優しい
先輩には先輩たる所以がある
結局ギンを探す時間より、立ち話している時間の方が長くなってしまった
でも大丈夫
ギンのいるところは大体予想が出来ている
今日は暖かい日だから
風も心地よい
そんな日はきっと
『ギン、みーつけた!
…ギン?』
涼しげな木陰にやっぱりギンはいた
返事がないと思いきやそこには静かな寝息を立てて、うたた寝してるギン
いや、狸寝入りってことはバレバレだもんね!
『ギン、みーつけた!!』
ギンに飛び込むと、くすぐったそうにギンは笑った
名探偵たぬきちゃんの目は誤魔化せないんだから