羽衣さん、にゅうすぅぱぁすたぁと出会う
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【犯人は速やかにロズワード一家を解放しなさい!!直“大将”が到着する
早々に降伏することをすすめる!!
どうなっても知らんぞ!!!ルーキー共!!】
「おれ達は巻き込まれるどころか…完全に共犯者扱いだな」
「くま…?」
たぬきが大丈夫だと分かり、清々しいほど暴れ回った麦わらの一味に、先ほどとは打って変わって愉快そうな顔でそう言うロー
噂に聞く麦わらのイかれ具合と、おまけに伝説の男と呼ばれる“レイさん”をお目にかかれて満足げだ
ローもなんだかんだでモヤモヤしてたんじゃん
たぬきの心配ばかりして自分のことになるといい加減なローにたぬきは少し不機嫌だ
「…くま?」
「………」
ベポに興味津々の麦わらに、本人はさして興味はないようだ
この騒ぎに満足したのはどうやらローだけじゃないらしく、1番後方で見ていたもう1人のルーキーもその1人のようだ
「”麦わらのルフィ”の噂通りのイカれ具合を見れたんだ
文句はねえが…“大将”と今ぶつかるのはゴメンだ…
もののついでだ、お前らも助けてやるよ
表の掃除はしといてやるから安心しな」
カチーン!
あっ、今なんか切れる音がした
ローは高圧的な態度をよくとるが、ローに高圧的な態度をとる人は滅多にいない
やはりと言うべきか、ベポが持っていた鬼哭をローは奪うように立ち上がりそのまま外へと出て行った
これは邪魔すると怒るやつ
船長が出て行った後を仕方ねーなとペンギンがこぼし、シャチベポと続く
3人の目を盗み、たぬきは船長たちを追い同じく出口に向かっていた麦わらの一味の最後尾にいたウソップとチョッパーを引き止めた
それに気づいたロビンも足を止める
『あっ、ちょっと待って!』
「な、なんだお前!」
「!!さっきのクマのところの奴だろ!おおお俺たちに何の用だよ!!」
『トニートニーチョッパーさんですよね』
「俺か!?」
『握手してください!』
可愛いは正義のたぬきはここでもブレなかった
きゃぁと言いながらチョッパーに握手を求めるたぬきは何処からどう見ても海賊とは思えない
手配書が出た頃から、こっそりチェックしていたたぬきはいつか会ったら握手とサインをしてもらうと決めていた
残念ながら色紙とペンを持っていなかったので握手だけに済ませる
ベポとは違う蹄の手を包み込み、今度会うときはちゃんと色紙とペンを尻尾にしまっておこうと決めた
『応援してます!頑張ってください!!』
「お、おう!そんなに言われても嬉しかねーぞ、このやろうッ」
「嬉しそうだな…」
『ありがとう!じゃーねー!』
それだけを言い残し、3人にバレないうちにたぬきは去って行った
尻尾が出ていたならご機嫌に揺れていたのが声色でわかる
「俺…有名人だ…ッ!!」
「…他の海賊団にも呑気な奴がいるもんだな」
「彼女は確か…」
「ロビン知ってるのか?」
「えぇ…“八尾 たぬき”、彼女も9900万ベリーの賞金首だった気がするわ」
「えっ!?じゃあ、あいつサンジやロビンよりも上なのか!」
「世の中変な奴もいるもんだな」
あんな子が億近い懸賞金をかけられているだなんて
まさかこの先同盟を組むほど深い仲になるなんて、この時はどちらも予想だにしていなかった