羽衣さん、練習
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大蛇は地面を這いながら、ローとたぬきの匂いを探している
見つかるのも時間の問題だ
それまでに何かいい手を思い浮かばなければ
隣にいるローも見るからにイラつき始めている
一歩も進んでないように感じる
「…1番初めに纏ったときと今とでは何が違う」
キリッと噛んだ唇から血が出る
鵺との戦いで初めて纏った時、身体は軽く鵺を倒しても尚まだいける気がした
あの感覚をもう一度出来れば
ローの呟きにたぬきは顔を上げる
『あの時…』
たぬきの脳裏に黄泉の国のローの顔が浮かぶ
ローがたぬきを初めて纏った時
あぁ…思い出した
『あの時のローはこの世の何も畏れていなかった』
だから私はローとなら鬼纏いが出来ると思ったんだ
「俺が畏れていなかったから…?」
『ぼろぼろだったけど心は誰よりも強かった
あの時のローは鵺すら畏れなかった』
「………」
あの時は畏れていなかった
「…じゃあ今の俺は畏れていて、だから上手くいかないと?」
『…それは私にも分からない
けど、一因にはなってると思う
ローも私も畏れてる』
何にも畏れなければきっと鬼纏も今よりずっと良くなる
根拠も何もないその言葉が、ローとたぬきに深く刺さった
「怯めば鬼纏は解かれ、臆せばその瞬間から相手の力に飲まれて死んでいく…と言うことか?」
確信を得たたぬきの目線がローに刺さる
そうか…今必要なのは力じゃない
覚悟か