ハゴロモサン×ト×ドロボウサン
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しまったな
クロロは自分が読む本がないことに気づいた
このホテルの近くに大型の書店があったはずだ
とりあえずそこで見繕うか
タヌキも行きたいと言うので、ホテルをでて書店へと向かう
入り口にある流行りの雑誌コーナーを抜け、奥へと進む
「なにかほしいものがあればもってこい
逃げようとはしないことだ」
タヌキの首に巻かれた首輪を触りクロロは2階の専門書のコーナーへと向かった
大型店舗にしては、物珍しいモノもないな…
小さな古本屋の方がいい出会いがあるものだな
クロロは適当に数冊見繕った
そこへ、タヌキが何冊か持ってやってきた
タヌキが持ってきたのは、子どもが字を覚えるためのハンター文字学習帳と、これまた子ども向けの絵本
「字、わからないのか?」
『全く』
言葉が通じるだけにクロロは珍しく驚いた様子を見せた
ホテルに着くと紙とペンを持ち、タヌキは字の勉強を始めた
『なるほど、この世界には平仮名の五十音順に対応した文字しかないのか』
ボソボソと呟きながらペンを進める
『平仮名だけだと長文読みにくいけど…これは慣れかなぁ』
「これは、【∀】と読むのか?」
『そう
でもこれは崩してあって、ちゃんと書くと【あ】って書く』
クロロはタヌキの書いてる文字に興味津々のようだ
しかも、タヌキはいつもの癖で平安時代の崩しカナで書いているので隣にちゃんと現代的な文字も書く
ペンも千年ぶりだ
慣れてる筆で書きたい
49個しかないハンター文字を覚えるのにそんなに時間は掛からなかった
次は五十音表でも見ながら、本を読もうとタヌキは絵本を開いてすぐに閉じた
「?、どうした?」
『ちょっと休憩
おやつにしよう』
時計見れば3時を差している
そういうところは抜かりないな
冷蔵庫からチョコレートを取り出すタヌキ
クロロはタヌキの書いたノートを興味深げに見ていた
法則性があまりないな…
ジャポンに似たような文字があったが、それともまた違うように見える
まだカタカナも漢字もあることをクロロは知らない
夜にもなれば、タヌキはクロロの読み終えた本を読んでいた
指でなぞりながらゆっくりとだが
相当集中しているようで、声をかけても尻尾でぽんぽんと床を叩くだけだ
…尻尾で返事をされてしまった
クロロもタヌキの隣に腰を下ろし、本の続きを読む
夜は静かに更けていった