ハゴロモサン×ト×ドロボウサン
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ご飯が終わると、タヌキはテレビをつけた
時折りクロロの方を伺いながら、これ何あれ何と質問をしてくる
しかし、ハンターという仕事のことも流星街という場所も、そうなんだと一言で片付けてしまう
浮世に興味のあるようでまるでないタヌキは、やはり一般人とは一線を画す
全てを受け入れる寛容さにも見えるが、クロロにはまるで違う世界…小説を読むように他人ごとのように思えた
それと同時に、覚えのいいタヌキに何か芸でも覚えさせたくなる
揺れる尻尾を見ながら、今度手に入れる本を決める
『あっ』
テレビを見ながらタヌキが珍しく声を上げた
「どうした」
『あれ、私のだ』
タヌキが差したテレビには、昨日クロロたちが襲ったオークションの被害のニュースが流れていた
タヌキがいうのは、そこに出品されるはずだったという鉄扇だった
ガサゴソと尻尾の根本を探るタヌキ
『ないと思ったらあんなところに』
トリップしたせいで散らばったのかな
思い出して他の武器も探すが、幾つか見当たらない
「そんなところに仕舞ってたのか?」
『便利だよ、なんでも入るし
貴方はないの?』
「ない」
『ふーん、不便だね』
ほとんどの人間はそんな便利能力ない
そんな能力者がいればすぐにでも奪っている
しかし、これは使える
思わぬところでタヌキの便利能力を知った
これで沢山の本を持ち歩けるな
「あれならアジトにあるぞ
昨日盗んだからな」
クロロの一言でタヌキの尻尾はピンとたった
『ほんと!?』
期待の混じった声にクロロの口元を思わず緩む
『って、盗んだ?
あれは貴方がやったの?』
テレビでは会場は見るも無惨に壊され被害は甚大だと女性レポーターが中継している
「少しホテルの手続きしてくる」
携帯を片手に部屋を出るクロロに、タヌキの質問は無視されてしまった