ハゴロモサン×ト×ドロボウサン
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尻尾は目立つから仕舞えと言われ、タヌキはクロロに連れられ街へと戻ってきた
逃げるに必死であまり街並みを見れなかったが、近代感のある中々栄えた街だ
キョロキョロと忙しなくあたりを見渡すタヌキ
「逸れるなよ」
連れてこられたホテルは見たこともないほど豪華だった
しかも最上階
大きな窓中から眩い景色がみえる
『お風呂…入っていいの?』
「いやなら、別にいいが」
『入る!』
景色にも目もくれずタヌキはお風呂場にかけていった
満足しているようだ
今度の“お宝”はどれほど自分を満足させてくれるだろうか
クロロは窓辺に立ち、上がる口角を手で押さえた
風呂場からひろーいと楽しげな声が聞こえる
暫くは暇しなさそうだな
しばらくしてタヌキが風呂から上がった
『…ありがとう』
ホテルのバスローブが大きくて、完全に着られているが、そこから覗く足は細く白い
服か…明日買いに行くか
パタリと本を閉じクロロもサッとシャワーを浴びにいった
クロロがシャワーから上がると、そこにはドライヤーで尻尾を乾かしているタヌキがいた
現在4本目
まだまだ時間がかかりそうだ
「そんなにあると大変だな」
手入れまでするところを見ると、念で作り出したものではないのか
はたまたそういう制約か
…流石にそれはないか
フェイタンを吹き飛ばすくらいの力と、的中するスピードはクロロが興味を持つには十分だった
急に話しかけたと言うのにタヌキは驚きもせず、クロロの方を向く
風呂上がりのせいだろうが、タヌキの頬は赤い
気配の感知能力も高いのか
上手く消したつもりなんだが
『ドライヤー、使う?』
「いや、俺は気にするな
元々使わん」
少し申し訳なさそうに言うタヌキが可笑しい
拐われてきたのに
「触ってもいいか?」
いきなり触ってフィンクスのように吹き飛ばされてもかなわない
廃墟の時とは打って変わって優しい声色になったクロロ
正直言って裏表があってすごく怪しい
でも…お風呂も入れてくれたし
まだ信用は出来ないが、僅かばかりの恩はある
『…優しくして』
さっきまで野良猫みたいに逆立っていたタヌキの警戒心が少しずつ緩んでいく
クロロはペットを買ったことはないが
なるほどこんな気持ちか
その時、キュゥとタヌキのお腹がなった
恥ずかしそうにお腹を押さえるタヌキ
「メシにするか」
『!!!』
ルームサービスを頼もうと部屋の電話に手をかけようとして、クロロの動きが止まる
『???』
「猫って食べちゃいけないものがあったか?」
『私は猫じゃない!』
ぺチリと尻尾で叩かれるクロロ
猫パンチみたいだなと大したダメージではない
「悪かった」
反省の様子がないクロロの謝罪にタヌキの尻尾は不機嫌そうに床を叩き続けている
「お詫びに1番いいコースを頼もう」
『!!、いいの!?』
ピンと立った尻尾が機嫌が治ったことを教えてくれる
『甘味も欲しい!』
しっかりとタヌキの要望を聞いてしまったクロロ
ついご飯を上げすぎてしまうという、よくある悩みに陥ってしまったことにクロロはまだ気づいていない