粉大臣のところに落ちてたら
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「タヌキは俺のものだ!」
それがあの日からカタクリの口癖になった
タヌキにしてみれば、急にそんなことを言い出すカタクリにはてなマークが飛ぶ
まっ、子どもの言うことか
しばらくすれば飽きるだろうとタヌキはたかを括った
何年かするとカタクリは粉大臣に任命され、タヌキが住んでいるコムギ島のハクリキタウンの管轄となった
色んな女の子が寄ってくる様になっても、カタクリのタヌキへのアプローチは続いていた
「帰った」
『おかえり』
今日も当たり前のようにタヌキの小屋へとやってきた
外は珍しく霧が深く立っていて森を抜けてここまで来るのに危ないだろうに、覇気を使いこなすカタクリには関係ないようだ
いつからか口元をファーで隠したカタクリはにょきにょきと成長して、タヌキの倍以上の身長になった
タヌキはカタクリが自分の分まで盗んで伸びたんじゃないかと密かに思っている
「お兄ちゃん!タヌキおねえちゃん!」
『あら、ブリュレ
いらっしゃい』
いきなり鏡の中から現れたブリュレに驚くこともなく、紅茶でいい?と慣れた手つきで紅茶を淹れ始める
カタクリが毎回ねだるものだから、紅茶を淹れるのがうまくなった
「ねぇ、カタクリお兄ちゃんとタヌキおねえちゃんはいつ結婚するの?」
『ブリュレ、いつも言ってるけど私とカタクリは…』
「タヌキの気持ちが整えば俺はいつでも構わない」
『…カタクリ』
子どもの時からいっしょだから、今更そんな風に見れない
いくらそう言ってもカタクリは聞き入れてくれない
彼の兄弟姉妹まで言われるから余計困る
はぁとため息をついてブリュレに話しかける
『今日はブリュレもおやつ食べていく?』
そう言って、今日のおやつのドーナツをだす
「食べる!」
出会った頃と変わらない元気な返事がかえってくる
カタクリの兄弟姉妹には、おやつを上げると手懐けられるとタヌキは学習していた
これで数々のカタクリお兄ちゃん大好きっ子を手懐けてきた
『なに?』
「いや…」
ブリュレにドーナツを与えながら、自らも美味しそうにドーナツの食べるタヌキ
目の前にいるタヌキも、覇気で見えた未来のタヌキも、変わらず美味しそうにドーナッツを頬張っていてカタクリも笑った
やっぱりタヌキを自分のものにしたい
カタクリは改めて強く思った
「…やっと見つけたわ…羽衣狐、いや今はタヌキって言ったからしら」
霧の間から尼頭巾を被り眼鏡をかけた怪しげな女が現れて新たな事件が始まるのだった
(羽衣さん、渡る世界で粉大臣の所に落ちていたらようきに育ちました)
(黄泉の国でカタクリお兄ちゃんの羽衣さんのハートキャッチ大作戦が始まります)
(ママにバレたら国が滅びるので内緒です、何人か兄弟姉妹がついてくるかもしれないけど)