粉大臣のところに落ちてたら
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『今度は私がカタクリのお家に行くから!』
一度街へ出たタヌキは、お出かけしたくてしょうがなかった
満面の笑みで尻尾を揺らすタヌキに言われ、カタクリは苦い顔をした
「でも、ママになんて言えばいいか」
『大丈夫!私、かくれんぼと鬼ごっこちょーうまいから!!』
「!!!」
事もあろうに、ママに内緒でやってくる気でいるらしいタヌキに目を見張る
ついにカタクリは断り切れなかった
…ママはちょうどいないし、警備にはちゃんと伝えておこう
しかし、タヌキはカタクリの心配もなんのその
どうやってか知らないが、タヌキは警備の者どころかシャーロット家の兄弟姉妹の目まで盗んでカタクリの部屋へと茶会をしに来た
人をはらい部屋で食べると伝えてあるから、邪魔するものは誰もいない
「本当にバレなかったのか…?」
『カタクリ、今日はなに?』
早速今日のおやつを聞いてくるタヌキ
どうやって来るのかと聞いても、タヌキは内緒と笑うだけで答えはくれなかった
その笑顔がまだ子どものはずのタヌキが大人っぽくて、カタクリは何故だかわからないが頬を染めてしまった
ママとはまた違った女だとカタクリは思った
『今日はチョコレートタルトなんだ!』
「好きか?」
『うん!大好き!』
「そうか」
尻尾がご機嫌に揺れているから嘘ではないのだろう
なんでだろうか…最近タヌキが喜ぶと俺も嬉しい
自分が好きなものをタヌキも好きだと嬉しい
「紅茶も好きなだけ飲め」
『お腹いっぱいになっちゃった』
「もうか?
タヌキは少食だな」
『カタクリに比べたらみんな少食だよ』
そう言って、食後の紅茶を啜る
まだ食べ続けるカタクリにタヌキは苦笑いを浮かべた
これ以上食べたら太っちゃうしね
カタクリくんは太らない体質らしく、食べたら食べた分だけ縦に伸びてる
正直羨ましい
「なぁ、タヌキは…なんで俺と仲良くしてくれるんだ?」
今日だって、色んな警備や城とも言える家に来て自分が普通でないとに気づいただろう
…タヌキも実は、俺がママの子どもだから…おやつをいっぱい食べれるから仲良くしているんじゃないのか
『なんでって、友達だから』
「とも、だち…」
『カタクリがママに叱られたときや兄弟と喧嘩したときに、愚痴を言える気の置けない友達がいたら楽でしょ?』
「ともだち…」
『私もいっしょにおやつ食べて、いっぱい話せるカタクリがいて楽しいよ』
友達に尻尾が9本も生えているのは気になるかな
少し返答に迷ったカタクリにタヌキは不安そうに尻尾を揺らした
…タヌキは俺の…ともだち…?
カタクリはなんだかちょっと違う気がした
今まで友達にも兄弟姉妹にも抱いたことのない感情がタヌキに芽生えてる