粉大臣のところに落ちてたら
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ぼんぼんのカタクリくんは本当にぼんぼんでこの島の王子だった
次男らしく、まだ会ったことないけど弟妹もたくさんいるらしい
ほぼ毎日来ては色んな話を聞かされカタクリの家のことに詳しくなった
なかなかの唯我独尊ぶりだが王子様だと思えばこんなものかと納得した
だが毎日来られては街へ降りて就職活動も出来ない
いつまでもぼんぼん王子のカタクリに世話になってていいものだろうか
『カタクリ、今日はまだこないのかなぁ』
子どもだから飽きたのかなとも思ったが
昨日、明日はドーナツだからと盛り上がっていたので来るはずだ
『そうだ、お迎えに行こう!』
名案だ!!
別にここで待ってる約束なんてしてないし、街へ下りるいい理由になる!
そうと決まれば早速行動!
カタクリくんが持ってきてくれた櫛で身だしなみを整えて部屋の鏡でチェックする
『よし!おっけー!』
いつもカタクリが行き来する道を歩いた
耳を澄ますと、道の先に人の声がする
真っ直ぐ行けば街へ着く!
小鳥の囀りを聞きながら、ウキウキと街を目指した
おっと、尻尾は仕舞っておかなければ
私は今は何処にでもいる幼気な子どもだ
甘い香りが広がる町はとても賑わっていた
お菓子の家もある不思議な町
これがカタクリの町
色んなところに目を奪われる
すると、タヌキの耳に聞き慣れた声が届いた
「これがおれだ!笑うやつはぶっ飛ばす!」
『カタクリ…?』
「フクロウナギが暴れやがった!」
「クソッ!逃げろ!!
あいつ、見た目も強さも化け物だ!!」
タヌキのすぐ横をわんぱくそうな子どもが3人ほどかけていった
その場に残されていたのはカタクリと目が合う
「!!、タヌキ…」
タヌキに気づくと、気まづそうに目を逸らした
乱暴で皆に嫌われている姿を見られてしまった
気にしないと自分で言ったばかりだが…タヌキにはカッコ悪い自分を知って欲しくなかった
『…カタクリ、化け物なの?』
「……ッ!!、そうだよ!悪ぃか!!」
目つきの悪い目に、裂けた口
お前も結局そう思うのか
『じゃあ、私といっしょだね』
タヌキは9本の尻尾を出して笑った
周りがザワリとするのが分かる
いきなり羽衣狐となってしまったタヌキは、人と違うことの辛さを知っている
余計、カタクリを見捨てることなんて出来なかった
『カタクリ、お腹減っちゃった
おやつ、食べよ』
「……」
『いっしょに帰ろ』
出来ることは少ないけど、せめてとカタクリの手を優しく握った
カタクリが握っているのは今日のおやつのドーナツだ
それを見てタヌキの尻尾がうれしそうに揺れた