机に座ったまま、ペンも持たず書類にも目を通さず、ただ緩みきった顔で何かを見ている


「ロシナンテ中佐は一体なにを見ているんだ？
長期休暇から帰ってきてからずっとああじゃないか」

「家族写真らしいぞ」

「家族写真？」

「なんでも写真嫌いの息子が孫の誕生でやっと撮ってくれたんだと」

「へぇー…って、息子！？孫！？
ロシナンテ中佐って結婚してたのか！？」

「ああ！しかも飛び切りの美人らしいぞ！」


背びれと尾ひれをつけたロシナンテの噂は、瞬く間に海軍本部に広まった

そして、ついにその噂は海軍トップのセンゴクの耳にまで入ることになった


「ロシナンテ！ロシナンテはどこだ！」

「元帥！？中佐なら、家族サービスしてからとたった今出て行きましたけど」

「なに！？あいつ、この前も長期休暇を取ったばかりだろう！！」


不躾にロシナンテの机を覗き込むと、そこに置かれた“家族写真”が目に入る


「！！？？」


センゴクはギョッと目を見開くと、見たことのないほど慌てた様子でばたばたと大股で部屋から出て行く


「げっ、元帥！どちらへ！？」

「長期休暇だ！おつるさんにそう伝えておけ！！」

「元帥もですか！？そんな急に！？」

「どうされたのですか！」

「ひ孫だ！！！」


そう言ってセンゴクは見えなくなった

後手になるなんてひいおじいちゃんのプライドが許さない！

コラさんに負けないくらいとろけた笑みを浮かべるのは先の話





Hello！Great Ggrandchild！！君を抱きしめずにはいられない！