コラさんが来て2週間ほどした頃、タヌキが産気づいた


「わー！！ロー！！？？
タヌキちゃん！タヌキちゃん！大丈夫か！！！」

「うるせぇ！
まだ産まれねぇよ！」

『…こらさん…またあとでね…』


額に汗を滲ませながらタヌキに手を振られ、コラさんは手術室から追い出された

さらに、タバコに火をつけては燃え上がるというドジを繰り返すコラさんをクルー総出で船から追い出した

もはやわざとやってないとおかしいレベルまでいった


「いい加減にしろよ！
吸えねぇんなら火なんかつけるなよ！！」


いくら船長の恩人だからといっても限度がある

口調が厳しくなるのは、シャチだって無事に産まれてくるから気が気じゃないからだ


「だってよぉ！こうでもしなきゃ、落ち着いてられねぇよ！！」

「赤ん坊が産まれるんだぞ！
タバコは控えろよ！」


シャチの言葉にハッとして、落としたタバコからまた引火した


「アチチチチッ！！！！」

「やっぱり！わざとやってるだろ！！」

「コラさん、飴でもナメて落ち着いたら？
タヌキからもらったんだ」


落ち着くよ

ベポからイチゴミルクの飴を受け取り口の中に放り込んだ

…甘い

タバコをやめ、飴を舐め始めたコラさんにクルーがほっと胸を下ろしたのも束の間


「いってぇえ！？舌噛んだ！！」

「お前ェは1秒でも静かに出来ねぇのかッ！？」

「ォギャア…ォギャア！！」

「「「「「！！！！！」」」」」


コラさんの悲鳴と同時に船内から、赤子の泣き声が聞こえ、全員が一斉に船内に目をやった

産まれた！！！




Hello！Grandchild！！君に今会いにいく！