青きじのところに落ちてたら
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赤いぬとの闘いで負けたクザンが目を覚ました時、はじめに飛び込んできたのは心配そうな顔を隠そうともしないタヌキだった
『クザン…やめるの?
ここからいなくなるの?』
10日間の無断の外出を責めるわけでもなく、失った右足を心配するでもなく、タヌキはクザンと離れる悲しみを嘆いた
赤いぬもタヌキのことを気に入っていたみたいだし、待遇が悪くなることはないだろう
もう自分はここにはいられない
守ってあげることも、ブラッシングしてあげることもできない
誰よりも理解が早いのはタヌキだった
『行かないで、クザン…うっ、ゔぅ…』
「まいったな、惚れた女にそんなこと言われるとおじさん、どうしたらいいかわからないじゃない」
初めて涙を流すタヌキにクザンの本音がポロリと漏れた
『えっ?』
クザンのひと言にぴたりタヌキの涙がとまった
『誰が?』
「俺が」
『誰を?』
「タヌキちゃんを」
『惚れてる?』
「年甲斐もなく」
みるみるうちにタヌキの顔が真っ赤に染まっていく
そんなタヌキもクザンにはやっぱり可愛くて仕方がなかった
ぎゅっとクザンに抱きついてきたタヌキ
「タヌキちゃん…?」
『私も…惚れた男にそんなこと言われたらどうしていいか分からない…から…』
クザンに負けないようにちょっぴり背伸びしたその言葉に、クザンは優しく抱きしめ返した
「困った、お嬢ちゃんだ」
この日、海軍を辞めたものが2名いた
そして、2人は長い長い旅へと出航した
(羽衣さん、渡る世界で青きじの所に落ちていたらわんぱくに育ちました)
(だいだらぼっちも大将がいるから瞬殺だと思います)