青きじのところに落ちてたら
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この男、体格もデカけりゃ態度もデカイ
そして何より垂れ流す覇気と言ったら…
その場にいる海兵は苦しなか必死で姿勢を崩さない
ここに新入りや実力の伴わない者がいれば大変なことになるだろう
しかし、そんななか不機嫌さを隠そうともしないドフラミンゴに覇気のなかでけろりとしているタヌキが目に入った
「あァ?見ねぇ顔だな、嬢ちゃん」
『はい!大将青きじのメイにより七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴ様をお迎えに上がりました、タヌキ三等兵であります!!』
大きすぎるMARINの帽子がずれている
そして何より、彼女のすぐ後ろで揺れる尻尾にドフラミンゴの口角と機嫌が上がった
「フッフッフ、可愛い嬢ちゃんじゃねーか
よろしく頼むぜ」
『はい!』
いつもの会議室へと案内される中、後ろを行くドフラミンゴをタヌキはちらちらと見ている
「どうした嬢ちゃん、俺になんかついてるか」?」
『い、いえ…その、ドンキホーテ様も大将青きじもとっても大きいので、どうしたらそのように大きくなれるのかと』
サングラスの下の目が見開かれる
己に対してそのような質問をしたやつなど1人もいなかった
「そうだな、好き嫌いせずにいっぱい食べろ、フッフッフ」
『やっぱり好き嫌いはダメなんだ…』
主人の機嫌を表すように項垂れる尻尾にドフラミンゴの手が伸びる
彼女の反応と尻尾…どれを取ってもドフラミンゴを楽しませてくれる
こんな所にいるなんてなんてもったいない
自分のところにくれば…さぞおもしいことになるのに
悪い考えがドフラミンゴの頭を埋め尽くしたとき、窓から知った声が聞こえた
「タヌキちゃーん、こんなところでなにしてるの」
『クザン!』
するりドフラミンゴの手を抜け、主人の元へかける犬のように尻尾を振りながらクザンの元にかけるよるタヌキ
行儀悪く窓から入ってきたのは大将青きじ
ちなみにここは最上階だ
「タヌキちゃん、俺が帰るまで部屋でおとなしくしてなさいっていったでしょ」
『でも、コート羽織った人が行けって』
「コートなんてみんな羽織ってるって…誰よそれ」
『誰?あまり知らない人』
「知らない人の言うこと聞いちゃダメだって言ったでしょ」
やれやれと頭を抱えるグザンにドフラミンゴは心底楽しそうに話しかけた
「いつの間に可愛い犬っころ買い始めたんだ?
青きじー」
「タヌキちゃんは狐なんだけど」
まいったなーなんて頭を書きながら、これ以上何も話さない気が見て取れる
そんな青きじの様子もドフラミンゴにとっておかしくてしょうがない
大将自らお気に入りだと言ってるようなものだ
「もう会議も始まるし、俺が引き継ぐからタヌキちゃんは部屋に戻ってなさい」
『えー』
「えー、じゃない
おつるさんから、最中の差し入れがあったはずだから」
『最中!』
形だけの敬礼をしてタヌキはグザンとドフラミンゴを見送る
ドフラミンゴが一言、タヌキを引き止めようとすると上がる腕をクザンが掴んだ
「お前さんもこんなところでモメたくないでしょ」
自身に重くのしかかる覇気にドフラミンゴの周りの気温が下がっていくのが、彼の不機嫌さを物語る
ドフラミンゴは笑い声を止められなかった
新しいオモチャを見つけた子供のように心が高鳴る
これからしばらく楽しくなりそうだ
「フッフッフ、しょうがねぇな
じゃな、嬢ちゃん」
『はい!また!』
「!!、あぁ…また、だ
フッフッフッフッ」
ドフラミンゴの悪巧みも、青きじの牽制で2人が会うのはしばらく先のことだった
「タヌキちゃん、これ上げるね」
『…かたつむり…ッ!』
「電伝虫ね
ワンコールで俺に繋がるようになってるから、知らないおじさんに話しかけられたら…ってタヌキちゃん、聞いてる?」
『…かたつむりだ…!』
「タヌキちゃん」
『寝てる、かわいい…』
「もう…しょうかないね」
説明を後回しにして、クザンはタヌキの頭を撫でた
それがいつのまにかクザンの癖になってしまっていたが、タヌキを満更でもなさそうに受け入れるのだった