れー連理の枝
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「じゃあ、たぬき
僕が帰るまで大人しくしてるんだよ」
『わかった!キョーヤ、かえる、の、たぬき、まつ!!』
雲雀はその犬をたぬきと名付けた
言葉も拙い中、雲雀の躾も少しずつ…ほんの少しずつ進んでいた
今のところ成功率は30%くらいだろうか
この前なんか、お迎えだと言って学校の校門の前で待っていた
匂いを辿ってきただなんてなんとも犬っぽい
不幸中の幸いだったのは、夏休み中で生徒がいなかったことだろうか
新学期が始まるまでにキチンと躾て置かなければ
雲雀が人知れずため息をこぼす中、たぬきはまた雲雀に信じられない発言をする
『たぬき、お願い、かなえる!できる!キョーヤ、お願いある?』
「願い?」
『そう!お願い!!キョーヤ、たぬき、助ける、くれた!だから、おれー!』
「……」
『あっ!でも、できる、3回だけ
キョーヤ、お願いある?』
「はいはい、じゃぁ…コーヒーがほ」
『わかった!コーシーね!!
ウーノ、ドゥーエ、トリェ!』
ポンッ
「!?」
『キョーヤ、嬉しい?』
「…あぁ」
『ほんとッ!?キョーヤ、うれしい、たぬき、うれしい
あと、2つ、あるよ!なに、お願い、する?』
「…考えさせてもらうよ」
『わかった!“考える”が2個目だね!!』
「…君ってバカなんだね」
『???』
「まあいいけど…」
その後、何日経ってもたぬきへの躾は進展しなかった
「たぬき、キミ何してるの?」
『あっ!キョーヤ、えっと…おはよう!!』
雲雀が起きてリビングにいくとと散らかった部屋
まだまだ終わりそうにない躾に雲雀はまだ寝癖のついた髪を乱暴に撫でた
つい先日から新学期が始まったが、雲雀の並森中学校では、風紀委員が立て続けに襲われるという事件がおきていた
この土日で並中の風紀委員8人が重傷で発見された…
そして、襲われた風紀委員は皆、なぜか歯を抜かれ、中には全部の歯を抜かれた者もいた
随分挑発的な犯人に、絶対に自分が噛み殺さないと気が済まない
『キョーヤ??』
「ないでもないよ
たぬき、僕が帰るまで大人しくしてるんだよ」
『わかった!キョーヤ、かえる、の、たぬき、まつ!!』
「いいかい?絶対、家から出たら駄目だよ」
『???、わかった!たぬき、家、でない、ぜったい!!』
その日雲雀が家に帰ることはなかった