れー連理の枝
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『…ーヤ』
「…ん」
『キョーヤ!起きて』
「だれ?」
『キョーヤ、きのう、助けたくれた、ありがとう!!』
「…きのう?」
確かに雲雀は昨日捨てられた犬を拾っていた
泥だけで気づかなかったが、体を洗うとでてきたのはハニー色の毛並み
確かこの前テレビで紹介されていた、イタリアン・ボルピノという犬種だったのでないかと雲雀は思った
ポメラニアンに似ているが、目と耳がやや大きく顔が丸い
聞いていたより幾分か小さな体はまだ仔犬だからだろうか
今日にでも草壁を呼び出し保護施設かペット迷子センターにでも引き渡す予定だった
その犬が自分の名前を呼んでいるのに、流石の雲雀も動きを止めた
『なに?しゃべる、変?いけない?』
「…いけないくないけど、犬がしゃべるなんて不自然だよ」
なんとも当たり前の科白しか言えないが、それ以外に雲雀は言葉が出て来なかった
『犬じゃなきゃいいの?』
ボフリと煙が舞い上がり、その身体は人の形を成した
まさに奇々怪界
またしばらく思考を停止した雲雀に不安そうな顔で覗き込む
犬のくせに人間のように顔をしかめた顔で表情まで豊かだった
『わたし、しゃべる、する
キョーヤ、わたし、きらい?
もう、家族、ちがう?』
「そんなこと言ってないよ」
まだ家族になった記憶はないが、雲雀は少しだけこの不思議な犬に付き合うことにした