つー月見
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『……』
「………?」
『……』
「…なにしてるんだ?タヌキ?」
『あっ、グラハム、月を見てるんだよ!』
私がやっとこさ登ったコンテナを、軽々と超えグラハムは私の隣へと座った
身体能力の差が凄すぎてもはや劣等感とか生まれない
まさか自分が中秋の名月を1930年代のアメリカで見るとは思わなかったよ
前までは全く気にしてなかったけれど
故郷を離れて見るとふとそういう行事ごとが頭をよぎっちゃって、つい月見と洒落込んでしまった
ここの月は日本で見た時よりも大きく感じる
「月を?それは楽しい話か?悲しい話か?」
『うーん、どうだろ
わからないや』
日本の風流や侘び寂びなんて、根っからのアメリカン不良少年のグラハムにわからなかったみたいで
まぁ…私もあんまり分かってるわけじゃないけど
この景色、グラハムには…どういう風に見えてるんだろう
「わからないのか?
おっ、見ろタヌキ!今日は綺麗に女の横顔が見えるぞ!!」
『横顔?』
「あぁ、月に浮かんでるだろ?」
自慢げに話すグラハムは今にもいつものように語りだしそうだ
横顔…?
なるほど、アメリカではそう見れるのか
まあ…見えなくはないかな…??
『グラハム、あれはウサギが餅ついてるんだよ!』
「ウサギが…?
なんだそれは面白い話だな!!」
余りにもグラハムが愉快そうに笑うから、思わずこっちも笑ってしまった
たしかに、月で兎が餅をついてるなんて飛んだファンタジーだ
「?、なんだタヌキ
なにか楽しい話でもあったか?」
『ん?あぁ…月がグラハムの髪みたいで綺麗だなぁって!』
「………」
『…グラハム?』
「俺は…この夜がタヌキの髪見たいだと思う
優しくて大きくて…愛おしい…話だ!!!」
寄り添ってきたグラハムの温もりがすごく暖かくて優しかった
月が綺麗なんて…そんな言葉はグラハムには入らなかったみたい
月がなくたって彼の言う言葉は変わらないのだから
…
……
………
…………
「…シャフトさん本当あの2人もう50年くらい付き添ってますよね」
「俺は100年くらいに感じるよ…ぃで!!」
「シャフトさんがやられたーー!!」
end…
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