せー世界
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つまらないわ
だぁれもこの部屋から出してくれないのだもの
外はきっと素晴らしいんだわ
だって、本に書いてあったもの
こんな狭い部屋より
ずっとずっと素晴らしいに決まってる
金魚鉢な被り物もやぁよ
だって外の空気は美味しいんだもの
コンコン
『はい』
あっ、そうだ
今日は待ちに待ったお客さんが来るんだった
おっと、いけない
金魚鉢つけなきゃ
「タヌキ様、大将青キジがこられました」
「クザンと申します。地位は大将
タヌキ様、どうぞよろしくお願いします」
うわぁ
おっきい!!!
初めて見たわ、こんな大きい人
好奇心がくすぐられるわ!!
『そう、あなたは出ていっていいわよ』
「しっしかし、命令ですので」
『なにあなた、私に逆らうの』
「ヒッ、とんでもございません
っし、失礼します」
よし、邪魔者はいなくなったわ
『そこにおかけになって』
「失礼します」
窮屈な金魚鉢を外して私も座る
すると、クザンさんは目を見開いた
『どうかされまして?』
「いえ…」
『?変な人
あっ、それよりも敬語いらないわ
呼び捨てでかまわないわ』
「しかし…」
『なに貴方私の言うことが聞けないの?』
「……善処します」
『くしゃしゃしゃしゃ、じょーだんよ
それよりお願いがあるの…命令じゃないから別に絶対ではないんだけど…こう言ったら従うしかないか』
「はぁ…それでなにを?」
ずっと
ずうっと
貴方にお願いしたかったのよ
『外の世界を教えて欲しいの』 | |
『外の世界を教えて欲しいの』 |
せ
か
い
か
い
自転車の荷台に金魚鉢のような被り物を捨てて足を投げ出す彼女
少しワガママだが、お転婆の域を出ない彼女
『ねぇ、クザン
私思ってたの…この世界はどこまでも広くって
素敵で残酷なんだ
そんな世界を貴方と見たいってずっと思ったてたの』
どうやら自分も彼女という世界に囚われたみたいだ
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