ふーぷれぜんと
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『おぉー!!』
「たぬき、そんなに慌てなくてもクリスマスは逃げませんよ」
『喜助、現在はすごいねー』
なんだかんだで現世を満喫しているたぬきと、満喫させている保護者
そんな2人にうってつけの行事がやってきた
元鬼道長の見事な腕前によってお店顔負けのけーきや料理が並び
保護者に肩車されながら、たぬきが鮮やかに飾り付けられた部屋の真ん中に置かれた木のてっぺんに星を飾り付けている
どこか引いて見てしまうのは持って生まれた性やから
どこへいっても同じ様な音楽に飾り付けなのは、何度見ても慣れへんもんや
窓の外で雪が降って霜がおりて白くなっているのを見ながら、火鉢でも起こして干し柿を食べている方が自分には合っている
もちろん横には彼女が蜜柑でも食べながら笑ってて
考えるだけで胸がぽかぽかしてくる
こんな妄想も100年以上やってれば手慣れたもんや
『ぇえ!本当!?
くりすますにさんたさんがぷれぜんとくれるの?』
「本当ッス!
だから、欲しいものはこの紙に書いといてください」
だけど、もうこんなこと考えなくて良くなったんやね
目の前で騒ぐ彼女は頭の中より、何倍も魅力的にみえる
『さんたさん、すごい!
喜助、私ももらえる?』
「もちろんッス!!
たぬきはイイ子にしてましたからサンタさんはなんでもあげます!!」
「へぇ、ならボクも?」
「…まっ、市丸さんもイイ子にしてたんならきますよ」
「えーほんまー?
たぬき、ボク達子どもじゃないから貰われんかもごもごごッ…!」
「市丸さん!市丸さんのところにも絶対来ますから!
たぬきには余計なことは言わないでください!!」
この男のたぬき第一主義の親バカはどうにかなれへんのか
さんたさんに願ったところで治らんやろうけど
『でも、喜助
家には煙突ないよ?さんたさん、来れないんじゃない?』
「大丈夫ッス!
サンタさんは瞬歩使えますから!」
いささか、さんたさんが死神寄りになってきたが…もう正体を隠す気はないのだろうか
もうさんたの正体を勘づいているおませなギンちゃんは、呆れてますよー
『ギンはなにをお願いするの?』
「うーんそやね」
特に思い浮かばないのは、隊長をやっていた時に欲しいものは大体手に入れられていたから
………たったひとつを除いて
『ギン?』
そや、いくら大金を積んでも願っても手に入れなかったモノがある
「ボクは…蜜柑かな」
『蜜柑?私の食べる?』
「ほんま?ありがと」
『ひゃっ!ギン!?』
100年願ってやっとこの腕に抱ける様になったんや
暖かい
ただボクの隣で蜜柑でも食べながら笑っててほしい
さんたさん、ボクんとこには来なくてええよ
だって、ボク
もうぷれぜんとはもらったからね
ぷれぜんと
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