Toka Toka
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「結婚、してくれませんか」
「………え?」
アイスブルーの小さな箱を胸元から取り出し、ユアの足元に膝をつく。
扉がしっかりと締まった個室は、ゆったりと流れるピアノの音だけになる。
目を見開いたまま固まったユアに、眉を下げ、控えめに笑ったソンウはこくりと喉を鳴らす。
国内屈指の夜景の見えるレストランを予約し、リングも彼女の好みをしっかりと把握し選んだ。食事は充分に楽しめたし、あとは。
こんなにも緊張したことが、今まであっただろうか。いや、あったな、あった。彼女と、そして青春を共にした仲間と出会えたあの頃に。
ソンウの顔とリングを何度も交互に見たユアは、驚いたまま開けられていた口を漸く閉じ、唾を飲む。
ユアの顔色は決して芳しくなく、ソンウも釣られて喉を鳴らす。
「……あの、」
「………はい」
「…今日、プロポーズしに来たんですか?」
「……うん」
「わたしに?」
「、うん」
静かに交わされる会話に、ソンウは嫌な汗が背を伝うのを感じる。逸らしたくなる気持ちを必死に抑え、ユアの瞳を見つめ続ける。
下唇を噛み、ソンウの瞳を見つめるユアの目が、だんだんと潤む。
「……私でいいの?」
小さな声で呟かれたその台詞に、ソンウは思わず破顔する。
「ユアがいいの」
「……でも、私、」
瞬いた瞬間零れ落ちた涙に、ソンウの胸がきゅうと締めつけられる。
「ユア、ユア。泣かないで」
「……おっぱぁ、」
「はい」
「………だっこ」
指の背で涙を拭ったソンウに向かって、ユアは涙を流しながら腕を広げる。
「はは、はい」
眉を下げ、声を出して笑ったソンウは立ち上がり、ユアを腕に抱く。
「どうして泣くの」
「……びっくりして」
「プロポーズされると思わなかった?」
「………私今日別れ話されると思って」
「…なんで?」
「私も、わかんないけど、オッパと最近、あんまり会えない、から」
「…それで、どうして別れることになるの?」
「……さっきも…話、合わないし、目も、合わないし、楽しくなさそうだし」
「…それ、はごめん。とっても緊張してた」
「こんなとこ、来たことないし、最後に、別れる前に、私に思い出作ってくれてるのかな、って」
ソンウの肩に顔を埋めるユアはしゃくりあげる。ソンウのジャケットをぎゅうと握るその手に、また胸が締めつけられる思いがする。
「ごめんね、ユア。不安にさせて」
ソンウの首元に顔を埋めたままフルフルと首を振るユアの背中を、ソンウはゆっくりと撫でる。
「オッパ今日とってもスマートに出来てるつもりだったんだけど、ダメだったみたい」
「……かみのけ、自分でやったんですか」
「うん」
「格好いいです」
「はは、ありがとう」
「お料理も、美味しかったし、景色も、綺麗でした」
「よかった」
「………泣いてごめんなさい」
鼻声で小さく呟かれたその言葉に、ソンウはユアの頭を優しく撫で、キスをする。
「謝らないで。かわいいユアヤ」
ぎゅうと更にきつく抱きしめてきたユアに声を出して笑い、ソンウは一つ息を吐く。
「ユア」
「…はい」
「俺と結婚してくれる?」
「………」
「嘘でしょ、ここに来てノーはないよね?」
「ふは、ないでしょ」
ソンウの腕の中でころころと笑うユアにソンウも微笑む。
「……がんばって、いい奥さんになります」
「そのまんまでもう最高だよ」
「…そんなこと言うのオッパくらいですよ」
「ほんとうに?」
ふたりは顔を見合わせ、溶けるような笑みを交わす。
「…指輪、つけてください」
「うん、かして」
ソンウの出した手のひらに自分の左手を置いたユアは、こくりと喉を鳴らす。するりと難なく薬指に収まったリングに、ユアの目は輝く。
「…きれい」
「うん、綺麗だ」
「……オッパが選んだんですか?」
「うん。気に入ってくれると嬉しいんだけど」
「とっても素敵。一生外しません」
「結婚指輪はどうするの?」
「ふたつつけます」
「そうなんですね」
「そうなんです!」
目元を僅かに赤くしたユアは、ソンウの顔を見て、花がほころぶように笑う。
左手を光にかざし、きらりきらりと石が輝く様を楽しそうに見つめるユアに、ソンウの胸に温かい感情が広がる。
「さ、デザート食べよう」
「まだ食べるものがあったんですか?」
「合図をしたら花束とデザート持ってきてもらう予定だったのに、あんまり遅いから失敗したと思われてるかも」
「暗い顔しておきましょうか?」
「やだよなんでだよ嬉しそうな顔しててよ」
なんてメッセージを送ろうか、あとで騒ぎに騒ぎまくるだろうトークルームの想像をしたソンウは、胸に溢れる幸福感を静かに噛み締めるのだった。
「………え?」
アイスブルーの小さな箱を胸元から取り出し、ユアの足元に膝をつく。
扉がしっかりと締まった個室は、ゆったりと流れるピアノの音だけになる。
目を見開いたまま固まったユアに、眉を下げ、控えめに笑ったソンウはこくりと喉を鳴らす。
国内屈指の夜景の見えるレストランを予約し、リングも彼女の好みをしっかりと把握し選んだ。食事は充分に楽しめたし、あとは。
こんなにも緊張したことが、今まであっただろうか。いや、あったな、あった。彼女と、そして青春を共にした仲間と出会えたあの頃に。
ソンウの顔とリングを何度も交互に見たユアは、驚いたまま開けられていた口を漸く閉じ、唾を飲む。
ユアの顔色は決して芳しくなく、ソンウも釣られて喉を鳴らす。
「……あの、」
「………はい」
「…今日、プロポーズしに来たんですか?」
「……うん」
「わたしに?」
「、うん」
静かに交わされる会話に、ソンウは嫌な汗が背を伝うのを感じる。逸らしたくなる気持ちを必死に抑え、ユアの瞳を見つめ続ける。
下唇を噛み、ソンウの瞳を見つめるユアの目が、だんだんと潤む。
「……私でいいの?」
小さな声で呟かれたその台詞に、ソンウは思わず破顔する。
「ユアがいいの」
「……でも、私、」
瞬いた瞬間零れ落ちた涙に、ソンウの胸がきゅうと締めつけられる。
「ユア、ユア。泣かないで」
「……おっぱぁ、」
「はい」
「………だっこ」
指の背で涙を拭ったソンウに向かって、ユアは涙を流しながら腕を広げる。
「はは、はい」
眉を下げ、声を出して笑ったソンウは立ち上がり、ユアを腕に抱く。
「どうして泣くの」
「……びっくりして」
「プロポーズされると思わなかった?」
「………私今日別れ話されると思って」
「…なんで?」
「私も、わかんないけど、オッパと最近、あんまり会えない、から」
「…それで、どうして別れることになるの?」
「……さっきも…話、合わないし、目も、合わないし、楽しくなさそうだし」
「…それ、はごめん。とっても緊張してた」
「こんなとこ、来たことないし、最後に、別れる前に、私に思い出作ってくれてるのかな、って」
ソンウの肩に顔を埋めるユアはしゃくりあげる。ソンウのジャケットをぎゅうと握るその手に、また胸が締めつけられる思いがする。
「ごめんね、ユア。不安にさせて」
ソンウの首元に顔を埋めたままフルフルと首を振るユアの背中を、ソンウはゆっくりと撫でる。
「オッパ今日とってもスマートに出来てるつもりだったんだけど、ダメだったみたい」
「……かみのけ、自分でやったんですか」
「うん」
「格好いいです」
「はは、ありがとう」
「お料理も、美味しかったし、景色も、綺麗でした」
「よかった」
「………泣いてごめんなさい」
鼻声で小さく呟かれたその言葉に、ソンウはユアの頭を優しく撫で、キスをする。
「謝らないで。かわいいユアヤ」
ぎゅうと更にきつく抱きしめてきたユアに声を出して笑い、ソンウは一つ息を吐く。
「ユア」
「…はい」
「俺と結婚してくれる?」
「………」
「嘘でしょ、ここに来てノーはないよね?」
「ふは、ないでしょ」
ソンウの腕の中でころころと笑うユアにソンウも微笑む。
「……がんばって、いい奥さんになります」
「そのまんまでもう最高だよ」
「…そんなこと言うのオッパくらいですよ」
「ほんとうに?」
ふたりは顔を見合わせ、溶けるような笑みを交わす。
「…指輪、つけてください」
「うん、かして」
ソンウの出した手のひらに自分の左手を置いたユアは、こくりと喉を鳴らす。するりと難なく薬指に収まったリングに、ユアの目は輝く。
「…きれい」
「うん、綺麗だ」
「……オッパが選んだんですか?」
「うん。気に入ってくれると嬉しいんだけど」
「とっても素敵。一生外しません」
「結婚指輪はどうするの?」
「ふたつつけます」
「そうなんですね」
「そうなんです!」
目元を僅かに赤くしたユアは、ソンウの顔を見て、花がほころぶように笑う。
左手を光にかざし、きらりきらりと石が輝く様を楽しそうに見つめるユアに、ソンウの胸に温かい感情が広がる。
「さ、デザート食べよう」
「まだ食べるものがあったんですか?」
「合図をしたら花束とデザート持ってきてもらう予定だったのに、あんまり遅いから失敗したと思われてるかも」
「暗い顔しておきましょうか?」
「やだよなんでだよ嬉しそうな顔しててよ」
なんてメッセージを送ろうか、あとで騒ぎに騒ぎまくるだろうトークルームの想像をしたソンウは、胸に溢れる幸福感を静かに噛み締めるのだった。