「『妹に薦めたいメンバーは？』」


停止された音楽に動きを止め、自分の名前と共にカンペに書かれたその質問を読み上げながらユアは戸惑う。


「私の妹、小学生なんですけど？」

「とりあえず答えてください！」

「お〜〜だれだろ」

「俺だな〜」

「まず、ジェファニオッパじゃないです」

「ヤー！」



叫ぶジェファンにメンバーたちは声を上げて笑う。そんな様子など御構い無しにユアは悩み続ける。



「これ瞬発的に答えなきゃいけないルールじゃないの？」

「手が痛いんだけど〜」

「もうあいつでいいじゃん〜」

「だれですか？」

「オンソンウ」

「や、やだ」



眉を精一杯下げ、小さな声で言われたユアのその台詞にホール内で軽く笑いが起こる。


「おーおー！なんだよじゃあ誰だよ！」

「ッじゃあハソンウンで！」

「理由は？」

「ハソンウンペンだそうですので」

「ありがとうございます！」



休憩を言い渡され、すぐさま先ほどの回答を揶揄ってきたソンウンにユアは嫌な顔をする。



「紹介するくらいいーじゃん」

「やですよ」

「妹でも？」

「好きになられたら困りますもん」

「妹ちゃん、ソンウニヒョンペンなんでしょ？」

「私たち、本当にそっくりなんです」

「ア〜〜そっち？」



吹き出して大声で笑うソンウンの隣でソンウがいや、と手をあげる。



「俺、ユアの顔だけ見てるわけじゃないんだけど」

「いや、顔だけじゃなくて、性格も言動もみーんなそっくりなんです」

「あ〜〜じゃあ危ないかもな」

「えーいソンウニヒョン！」

「うそですうそです、ソンウオッパは私が大好きですもんね」

「うん、大好きです」

「じゃあ今度」

「やだ」

「お前ソンウに家族紹介しないつもり？」

「いつかはしますもん！」

「いつ？」

「……………結婚するってなった時」

「おっも！」




大爆笑するソンウンを横目で睨みつけながら、先ほど名前を挙げたことをしっかりと後悔するユアだった。