I WANNA BE WITH YOU 11
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「ユアさんは初恋いつでした?」
リスナーからのお悩みを聞きゲストが答えるというラジオでは良くあるコーナー。恋愛相談を受けていたワナワンたちだったが、唐突に自分に投げかけられた質問にユアは固まる。
「お、私ですか?」
「はいはい。こんな言い方しちゃあれだけど、ユアさんはデビューして長いのに、スキャンダルなんかがただのひとつもないじゃない?」
「あ〜〜私、嘘じゃなくて本当に今まで一回も恋愛したことないんですけど…」
「えーいそんなこと言って、初恋くらいは誰でもするもんでしょう〜」
「そうなんですか?」
振り返ってそう訊けば、何とも言えない反応を返すメンバーたちにユアは苦笑を漏らす。
「高校は男女共学でした?」
「はい」
「その時に何かなかったんですか?」
「お〜〜……あ?」
「あったみたいですけど?!」
「恋愛……とまではいかないと思うんですけど」
「はいはい!」
目を輝かせてこちらを見るDJの女性にユアははにかむ。
「今思うと好きだったのかも、っていう人はいたみたいです」
「おお!同じ学校ですか?」
「はい」
「同学年?」
「はい。うわこれ、とっても恥ずかしいんですけど」
おお〜〜!と盛り上がるDJとメンバーたちにユアの頬は若干赤くなったように見える。
「告白とかそういうのはしなかったんですか?」
「その時は考えたこともなかったです」
「なぜ?」
「ただ……お互いその関係に満足していたんだと思います」
「向こうもユアさんのこと好きだったの?」
「憎からず思ってくれていたとは思いたいんですけど」
「someだね」
「someってなに」
しみじみと言ったデフィにジニョンがきく。
「友達以上恋人未満の曖昧な関係の2人を表す言葉ですよ〜」
「ただの友人同士だったといえばそれまでなんですけど」
苦笑いで言うユアにいや〜!と反論するDJは更に話を掘り下げる。
「向こうは付き合いたかったかも〜」
「いや、私もデビューしてましたし、彼も大事な時期だったので」
「あ〜彼は今なにを?」
「さあ、元気にしているようですけど」
「連絡は取り合ってない?」
「連絡先を知らないので」
「あ〜…なるほど」
また会えるといいですね、そう言って締めくくられたトークに、ユアは少し胸が苦しくなったような気がした。
「好きだった?」
「え?」
「さっき言ってた」
唐突にそう言われ、ユアは隣に座るソンウに顔を向ける。
「………本当にききたいですか?」
「いえ、言ってみただけです」
目を逸らしたソンウにふふ、とユアは声を出して笑い、ソンウの肩に頭を預ける。
「拗ねないでください」
「拗ねてないよ」
「…じゃあその口はなんですか」
口を尖らせそっぽを向くソンウと笑顔のユア。いつもとは逆の状況にユアはくすぐったそうに笑う。
「…俺が全部ユアのはじめてだって思ってたのに」
「でもオッパのこと言うわけにはいかなかったでしょ?」
「………その人、歌手?」
「そうみたいですね」
「かっこいい?」
「そうですね」
「……オッパとどっちがかっこいい?」
「あ〜なんでそんなこと気にするんですか?今私はオッパが好きだって言ってるのに」
ユアは持っていたスマートフォンを膝に放り、ソンウの固く握られた手を取る。ゆっくりと開かれた手のひらに自分のものを合わせ、指を絡める。
「……こういうこともした?」
「こういう?」
「…手を繋いだり」
「……しましたよ」
「ちゅーは?」
「しませんでした!」
「…………さようですか」
「そんなこと言ったらオッパ、自分の方が凄いくせに」
「…………」
「私なんかちょーっと手繋ぎながら音楽聴いたりお喋りしただけなのに」
「………」
「あ〜〜いいなあオッパの初めてたくさんもらったオンニたち」
「ブッフ」
「ソンウニオッパ、今笑うところじゃないんですけど」
「すんません」
「……ごめんなさい」
「いいですよ、私なんかオッパと何かするたび過去のヌナたちに嫉妬してるので」
拗ねているソンウが珍しく、そして可笑しいのか、カメラアプリを立ち上げセルカを撮ったユアはご機嫌だ。
「…お前なんでソンウの初めてもらった奴らがみんなヌナだと思ってんの?」
前の席から振り返ったソンウンがユアにきくと、ユアはシレッとして答える。
「だってオッパ、年上女性に好かれそうじゃないですか?」
「そうかあ〜?」
「オッパもヌナ好きでしょ?」
「これなんて答えるのが正解?」
「ソンウは年下の方が好きだと思うよ」
「え〜ミニョニオッパ解釈違い〜」
「俺も年下好きだと思う」
「え、私密かにオッパ年下初めて説提唱してたんですけど」
3人の視線が集中する中、ソンウは小さい声で答える。
「……ノーコメントで」
「うわ〜〜〜!」
「私今日9階で寝てもいいですか」
「いいよいいよジソンイヒョンのベッド貸すわ」
「ちょっと待ってなんで俺」