I WANNA BE WITH YOU 11
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「もし私がVIXXのままだったとしても、オッパは私を見つけてくれたかな」
ユアとソンウンはリビングにふたり、テレビを観ていた。
他のメンバーたちもそれぞれキッチンや部屋、バスルームなど、思い思いの場所で束の間の休息を謳歌している。
特に観たいものがあるわけでもなくボーッと観ていたソンウンだったが、それはユアも同じだったようで顔はテレビに向けながらも心はそこにないようだった。
「ん〜〜どうだろ。ゆーてお前もプデュ出てなかったらソンウのこと気にかけてもなかっただろ」
「そんなことないよ。私オッパに一目惚れだもん。国プとして一役買ってたかもね」
「え、マジ? どこでなにに惚れたの」
「個別評価の時、笑った顔に」
「……お前のタイプの話、建前かと思ってたわ」
「素敵な笑顔に釘付けだったよ」
「うわぁ…それは……うわ〜〜」
恥ずかしげもなく語るその姿に何やらソンウンの方が赤くなる。
「どう思う?」
「って言われても……まあ普通に考えて、」
「私なんか見向きもされなかっただろうな」
「そんな言い方…」
「ハァ〜〜〜〜」
「いや自分で言ってへこむなよ」
一定の距離を置いてソファに座っていたふたりだったが、ユアがズルズルと倒れてきたことで距離が縮まる。
ソンウンの筋肉でできた太ももに、ユアの頭が落ちる。
ユアが側頭を擦り付けるようにしてもぞもぞ動くため、ソンウンは擽ったくて仕方がない。
「お、おい、やめろって」
「オッパぁ、どうしよう、私。VIXXに戻ったら忘れられちゃう」
「だからそんなことないって」
「でも待てよ?元々プデュ終わったらお別れするつもりだったし、そう考えたら良かったのかも。一年半も時間貰えて」
「お前なぁ」
「そっか、そうだね、うん。オッパは私のこと忘れても、私は忘れないもんね、それでいいもんね。」
ソンウンの話を聞かず、一人で勝手に喋り忙しなく動いていたユアだったが、そう言ったきりソンウンのお腹に顔を埋め、腕も腹に回ししっかりとくっついた状態で動かなくなった。
今度はソンウンが溜息を吐く番だった。
「なぁ、俺のお腹で泣かないで」
「泣いてないし」
「鼻水もつけるな」
そうソンウンが言うと更に顔をぐりぐりと押し付けてくるユア。
「ユアヤ、こういうのは俺じゃなくて本人に」
「やだ」
「呼ぶぞ?」
「お願いですからやめてください」
「このままあと一年一緒に過ごして、じゃあ解散するのでサヨウナラ、なんっていうことが本当にあり得ると思うのか?」
「……わかりません」
「ないだろ」
「…………でも、もし、本当にお別れする時が、きて、」
「ヤァ〜〜!だから俺のお腹で泣くなって!」
「っ、そしたらどうしよう……」
更にギュウと抱きつかれソンウンはほとほと困り果てる。
話も聞かないし抱きつかれるし、らちがあかない。ソファーの背に頭を凭せ掛け天井を仰ぐと、思わずああ〜〜〜!と大きな声が出てしまった。
「ソンウニヒョン?」
今一番鉢合わせてはまずい人間の声がして、ソンウンは顔を元に位置に戻すことが出来なかった。
「ソンウヤ、」
「これは、どういう…」
困り果てるソンウン同様、ソンウも同じように困惑している様子だった。
この状況を作り出している張本人はというと、先程から寸分違わぬ姿でそこにいる。ソンウンの腹に。
「あの、テレビ、観てたら、ユアが……泣いちゃって、その…お前にバレたくないって、隠せって言われて、その……」
「感動ものだったんです?」
「あ〜〜うん、犬のやつ」
「なるほど」
本当に納得したのかはわからないが、なんとか誤魔化してやったぞ!という気持ちを込めてユアを引き剥がす。
「おい、マジ起きろって」
あっさりと離れたユアは力なくころんとソンウンの膝の上を転がる。
ユアは目を閉じ静かに眠っていた。
「…………マジかよ」
申し訳なさそうに笑うソンウにユアを引き取ってもらい、自分も部屋に引き上げる。
あとのことを考えると下手なことは言わない方がいい気がしたソンウンは、おやすみとだけ呟き静かにドアを閉めた。