I WANNA BE WITH YOU 11
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ソンウがシャワーからあがるとユアがベッドで寝ていた。
ツアー中、ホテルの部屋は基本2人1組だが、1人の時もあれば3人の時もある。ユアは無条件にひとりだ。それが寂しいらしく、よく他のメンバーの部屋に行っては叱られているのだが。
今日の部屋はミニョンと一緒だった。
シャワーを浴びる前には確かにいたはずのルームメイトが居らず、代わりにユアがさも自分のベッドかのようにうつ伏せで眠っていた。
ソンウのベッドで。ソンウの服を着て。
ソンウはシャワーからあがったとき、着る服を持ってくるのを忘れたことに気づいた。
今日のホテルはバスローブが洗面所に置いてあり、ちょうど良いととりあえずそれを着て出てきたのだ。
そこにいたのがユアだ。
どういう状況だか知らないが、自分のベッドで、何故か自分のTシャツを身につけた可愛い妹が眠っている。
しかも浅くもない仲の妹が。
ソンウはバスルームから出たそのままの場所で動くことが出来ないまま、頭を抱えた。
音を立てないようにベッドに近づき、ユアの顔を覗き込む。
閉じられた瞼と、静かに上下する背中に、本当に寝ているのだとわかる。
起こさないように、極力静かにベッドに腰掛ける。
良いベッドなのだろう。音はせず、静かに沈む。
ブランケットも掛けずに寝ているユアに、静かな声で「風邪ひくよ」と言ってみるも、意外と眠りは深いのか目を開ける様子はない。
自分の腕を枕に寝ているユアの顔にかかった髪の毛を耳にかけてやる。
耳に開いているひとつの穴。
何も通されていないそれを見て、心にジリッと炎が燻る。
こんな無防備な姿を自分に見せてくれるのは嬉しいが、この姿を見たのは自分が初めてでないだろうということも、ソンウはわかっているつもりだった。
その先に何かがあろうがなかろうが。
「ユア、起きないと。部屋に帰りな」
先ほどよりも少し大きめな声で呼びかける。
意外とあっさり瞼は動いた。
ゆっくりと瞳にソンウを写し、ユアが微笑む。
「じゃじゃーん。驚いた?」
寝起きの掠れた声が、これでもかと甘やかな響きを持ってソンウの鼓膜を揺らす。
「うん、驚いたよ」
そう言うソンウにさらに笑みを深くしたユアはゆったりとした仕草で起き上がる。
と、ユアの着ていたソンウのTシャツがめくれそうになり、ソンウは慌てる。
「ちょ、ッと、待って。見える、見えそうだから」
それに首を傾げたユアだったが、一拍おいて合点がいったようで、あぁとTシャツをめくる。
「大丈夫、下に履いてます」
めくった拍子に覗いた白い腹にソンウの頭はくらくらする。
「オッパ?大丈夫?逆上せた?」
ベッドに座ったまま頭を抱えたソンウは、そう言って顔を覗き込んでくるユアからするボディクリームの香りに、全身の血が勢い良く駆け巡るのを感じた。
「うん、大丈夫」
そう言いながら顔を上げ、にこりと笑って見せるも、ユアの顔は優れないまま。
大丈夫、そう自分に言い聞かせ、なんとか理性を保つ。
「そんな顔しないで。オッパも悲しくなるよ」
そう言ってアオの頬に手を添え、親指で頬をなぞると気持ちよさそうに目を閉じたユアに、ごくりと喉がなる。
「なんで部屋に来たの?」
「駄目でしたか?」
「ううん、嬉しい」
「ふふ、オッパが嬉しいと私も嬉しい」
「ミニョニいなかった?」
あ!そう!と突然目を開けたユアにソンウは目を瞬かせる。
「ミニョニオッパ、どっか行っちゃいました。私たち2人で楽しんで、って」
「……そう」
ミニョンの思惑を理解したソンウは再び頭を抱えたくなった。
「オッパ、私今日ここで寝てもいい?」
「……だめ」
「あぁ、なんでですか?宿舎ではいつも一緒の部屋じゃないですか」
「だめなものはだめ」
「……わかりました」
わかってるのかわかっていないのかよくわからない返事だったが、一旦は了承してくれたようで安心する。
少し寂しそうな笑顔のまま、ユアが言う。
「キスは?しても、いいですか?」
ふたりきりの空間で、今いるのはベッドの上。かなり危ない状況ではあったが、自分自身が目の前の誘惑に打ち勝てそうもなかった。
「…いいよ」
ふたたび目を閉じたユアに顔を寄せ、小さなキスをひとつ落とす。
音もなく静かに離れた唇に、ユアがゆっくり目を開ける。
「いっかいだけ?」
下がった眉が愛おしく、ソンウはもう一度顔を寄せ、唇を吸う。
肩を微かに震わせたユアに、背中がぞくぞくと震えるのを感じる。
今度は顔は近づいたまま、唇だけ離す。ユアの手は体を支えるようにソンウのももに置かれている。
「もういっかい」
そう強請られて、応えずにいられる奴がいるなら見てみたいものだ。
ユアの唇を食み、一度離し、もう一度くっつける。離れるソンウの唇を追うようにユアの唇が触れる。
触れ、離れ、触れているうちに、ソンウの舌が軽くユアの唇に触れる。
と、ユアが驚いて顔を離してしまう。
「なんですか」
目を見開いているユアに、もっと気持ちいいこと、してもいい?と微笑めば、赤く染めた頬を更に真っ赤にして小さく頷いた。
もう一度キスをして、少し唇を離す。
「した、だしてみて、」
そう言われたユアおずおずと舌の先を唇から覗かせる。
それに自分のものを合わせながら、ゆっくりキスを深める。
舌を擦りつけるようにしながら、離れ、くっつき。
ユアの体は跳ね、荒い息の合間に甘い声が混じる。
どんどん深くなるキスに、これはマズイな、とソンウは他人事のように思っていた。