2話

「よかったオッパたちと一緒で」
「これって事務所別？」
「レベル別だと思ってたんだけど」
「だとしたらガチで死ぬとこだった」
「この機会に克服するべきじゃないのか？」
「人見知りを？無理だろ」
「うわ、ウソクオッパに言われるとめっちゃムカつく」
「事実だろ、ユアヤ。俺たちとの時も酷かったじゃん」
「俺ユアのこと最初マジで静かな子なんだと思ってた」
「悪かったですね〜本当は煩くて」
「つか最初からそれで行きゃいいじゃん」
「これだから陽キャはそうやって簡単に」
「なっ、お前だって言うほど陰キャじゃないだろ」
「あ、こんにちは〜」

指定された部屋に入り談笑していたところに、同じ部屋を割り当てられた二人が開いたままのドアから入ってくる。先に気づき愛想よく挨拶をしたウソクとは反対にユアはちらりと顔を伺い小さな声で挨拶を済ませ、再び引っ張ってきたキャリーバッグを見つめる。

「あいさ〜つ」
「こんにちは！ユアです！」

あまりの無愛想さにジニョクがユアをくるりと振り向かせやり直しをさせる。テレビ用の笑顔とハキハキとした挨拶に苦笑しながらも同じように返してくれたビョンチャンとスンウにユアの頬は恥ずかしさから真っ赤に染まる。腕を逃れジニョクの背中を思いっきり叩いたユアは素早くウソクの後ろに隠れ悪態を吐く。

「すいませんこいつ後からだんだん愛嬌出てくるんで」
「あは、大丈夫ですよ」
「ユアも97年生だよね？」
「あ、はい」
「お、じゃあビョンチャニとチングじゃん」
「やったな、ユア」
「もうジニョクオッパはマジで放っといてください…」

見兼ねたウソクがベッド割りの提案をしたことで会話が流れ、ユアは小さく息を吐く。最初の挨拶が苦手なだけで、人と話すのは嫌いではないのだ。

「ユアもAクラスだよね？」
「はい、オッパたちは違いますけど」

スンウの質問にニヤニヤと楽しそうに答えたユアの仕返しに、お〜うキッツ〜と大げさにジニョクが答え、部屋は笑いに包まれた。