3話
夢小説設定
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「ユアヤ〜、髪の毛早く乾かしなさい〜」
「わかったよママ〜、すぐにやります〜」
お風呂からあがり髪の毛から雫を落としながらタブレットで映像を確認していたユアにソンウが声をかける。
返事をしてからも目はタブレットから離れず、一向にドライヤーを取りに行く様子もない。
「それとそこ俺のベッドだって知ってる?」
「え?!あ、ごめんなさいオッパ!すぐ退きます!」
そう言って移動したのは二階の自分のベッド……ではなく隣のダニエルのベッド。
濡れた髪のままごろんと転がり枕に顔を埋め、「ダニエルオッパの匂い!」とにこにここちらに笑いかけるユアにソンウは頭を抱えた。
そういう意味じゃないんだけど、と溜息と共に吐き出された言葉は、同じくシャワーからあがり部屋に帰ってきたダニエルの「ユアッ、お前髪の毛濡れてるだろ!!」の叫びによりユアに届くことはなかった。
「なんであんなに危機感がないんだろ」
「あったらそもそもこんなところに来てないですよね」
そのままダニエルのベッドでプロレスごっこを始めたふたりを見ながら呟くと、ダニエルと一緒に帰ってきたらしいミニョンがタオルで髪の毛を拭きながら応える。
「VIXXの皆さんも大変だな、これは」
「寝てたらベッドに潜り込まれるらしいよ」
「は?」
「知らない人にはしないと思うけど…っていう前置き付きで聞かされた」
ユアとダニエルの笑い声と叫び声にシャワー室から帰ってきたジョンヒョンとジェファンが目を見開く。
「ヤ〜!ユア!」
「おかえりなさい、ジョンヒョンオッパ」
ダニエルに背後からホールドされた状態でこちら側を見たユアにソンウは目を逸らさずにいられなかった。
頬は紅潮し、息は上がり、なおかつまだ髪の毛が濡れている。可愛い妹に抱くには邪すぎる感情にソンウは今すぐ部屋を出て行きたくなった。
「髪の毛乾かしてから他のことやれって毎日言ってるだろ!」
「違うんです、ダニエルオッパが邪魔してきて」
「おい、おまッ 違うだろ!」
とばっちりを受けたダニエルが反撃と称してユアの脇腹をくすぐる。
「やっ、だめ、オッパぁ、あっ、ンンッ」
後ろから回されたダニエルの手にしがみつきながら身体を震わせ声を漏らすユアに、ついに我慢ならなくなったソンウが声を出そうとしたその時。
はいはい、ドライヤー持ってきたからね〜のミニョンの声にダニエルがくすぐる手を止める。
「おいで」
ドライヤーを持ったミニョンが自分の股の間をポンポンと叩きユアを呼ぶ。
ダニエルの腕から抜け出したユアは綺麗にミニョンの脚の間に収まり、髪が櫛で梳かされるのもそのままに目を閉じる。
「綺麗な髪が勿体無いだろ、すぐ乾かさなきゃ傷んじゃう」
「ドライヤー嫌いなんだもん」
「明日髪の毛が爆発してもいいって言うなら、俺は止めないけど」
「……いや」
いつものふんわりとしたショートボブが戻ってきたことを確認して、ミニョンはドライヤーのスイッチをきる。
「ありがとう、オッパ!」
そう言って立ち上がり、最後にシャワー室から帰ってきたらしいヒョンビンを連れて忙しなく部屋を出ていった。
ジュースが飲みたくなったらしい。
「ヒョン、大丈夫ですか?」
膝を抱えたソンウにダニエルが声をかける。
お前、凄いな。
色んな意味を込めて発したソンウのその言葉に、ジョンヒョンとミニョンは思わず吹き出してしまい、何のことだかわからない様子のダニエルは首を傾げるだけだった。