幼い頃、私は快活な少女だった。
優しい両親に慈しみ育まれ、この世の全ては善意で構成されているものだと思っていた。
あまりにも私は幼かったのだろう。
今の私は全くもってそんな感想を抱かないのだから。
しかし、その当時あまりに幼く純粋だった私の世界は一変した。
たった一つの事件で。
私の両親は肉親では無かった。
正確には人ですら無かった。
魔術師と呼ばれる存在だったのだ。
彼等は私を病院に1度も連れていったことがない。
そもそも、私は病気になったことも怪我をしたこともない。
それがあまりにも不自然だということに、ある日私は気が付いてしまった。
だから私は自分について調べることにした。
私の出生について。