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A3!

いつだって臣クンは俺っちに優しくて、甘やかしてくれる

でもね、たまには俺っちにも臣クンの事、甘やかさせて欲しい

そんな風に思うのはきっと、臣クンが俺の事を受け入れてくれるって信じているから―――


「臣クンに会いたい……。臣クン不足で死ぬ……」

「たいっちゃんダイジョブ?おみみ最近忙しそうだよね。よしよし」

談話室のソファに屍みたいにうつ伏せになっているとたまたま居合わせたカズくんが頭を撫でてくれた。

「ありがとカズくん。忙しいのはお仕事が充実してるって事だろうし、良い事なんだって分かってるんスけど……やっぱ寂しくて」

「寂しいって素直に伝えてみたらいいとオレは思うよん。おみみ、たいっちゃんの言う事なら何でも受け止めてくれるって」

寂しいって伝えたところで臣クンが困ったように笑う顔しか思い浮かばなくて。

俺は心配してくれるカズくんに曖昧な微笑みを向ける事しか出来なかった。


その日の夜。

24時を廻った頃、105号室のドアが静かに開いた。

臣クンが帰って来たのを感じると、胸がキュンと切なく鳴った。

声を掛けたかったけどもう夜も遅いし、寝てた方が臣クンも安心するかもしれない。

そう思って狸寝入りをしていると、臣クンが梯子を上ってくる気配がして俺の身体はビクッと震えた。

「……太一。起きてる?」

「……今起きたッス。臣クンおかえり、遅かったね」

くるりと振り返り笑みを向けると臣クンは柔らかく笑み俺の髪を撫でてくれる。

「今日は特に忙しくてな。でも太一の笑顔を見たら疲れも吹っ飛んだけどな」

「…ふふ。俺っちの笑顔、癒し効果抜群ッスか?」

「ああ、そうだな。でも今夜は笑顔だけじゃなくてエッチな顔も見せて欲しいんだが…良いか?」

臣クンの温かい手が頬に添えられる。それだけで俺の心臓はトクントクンと高鳴っていく。

臣クンに求められるのは久しぶりで、俺は思わず潤んだ瞳で臣クンを見つめた。

「…うん。良いッスよ……沢山癒してあげるね、臣クン……」

思ったよりもか細い声で言う俺の手を優しく取る臣クン。

そして、そっと唇が重なった。


下唇を優しく食んだり舌を吸ったり、上顎の弱い部分をなぞるように舐めたりして臣クンは甘く深いキスを俺に与えてくる。

服の裾から手が入ってきて、乳輪を優しく撫でられると背筋にゾクゾクと甘い官能が奔った。

「……ふ、太一、乳首弱いよな。もうこんなに硬くなってる」

「やだぁ……臣クンが開発したんじゃないッスかぁ…っ…」

「そうだなぁ、責任持って俺が可愛がってやらないとだよな?」

クニュクニュと親指の腹で両方の乳首を押し潰すように弄る指先が愛おしくて、俺はそっと臣クンの指に自分の指を這わせた。

「……臣クンの指、好き……この指にずっと……犯されたかった」

「……指だけで良いのか?太一は俺のちんぽ欲しくないんだ?」

熱を孕んだ蜂蜜色の瞳で拗ねたように訊ねる臣クンが可愛くて、俺は臣クンの下腹部にそろりと手を伸ばした。

臣クンの陰茎はもう芯を持ち始めていて血管が浮き出ている。

赤黒くてグロテスクで卑猥なのにこんなにも愛おしくて仕方ないのはきっと臣クンだからだろう。

そっと先っぽに触れると臣クンは小さく吐息を漏らして俺をぎらついた瞳で見つめてくる。

「……ちんぽも欲しいよ?臣クンのちんぽも大好きだもん……ね、もうちょうだい?」

「まだ後ろ慣らしてないだろ?太一に無理させたくないから、ゆっくり、な」

「……臣クン疲れてるのに、ゆっくりしてたら、寝る時間無くなっちゃうよ?」

「太一に癒される時間も大事だからな。それに明日は仕事、昼からなんだ。だから気にしなくて良いよ」

臣クンは安心させるように耳元で囁きながら俺の硬くなり始めてる陰茎に触れる。

そのまま形を確かめるように握り亀頭をグリグリと弄ってくる臣クンに俺は思わず眉尻を下げ甘い声を上げてしまう。

「あっ……ん、ん…っ……気持ちい、臣クンっ…俺っち、もうイッちゃう…っ……♡」

「もう?太一、先っぽ弄られるの好きだもんなぁ。でもまだダメ。俺のちんぽでイッて?」

いきなり陰茎の根元をギュッと握ってくる臣クンに俺は涙目になりながら背中を仰け反らせた。

「ひぁっ!?んっ…あ、ぁ、苦しっ……臣クン、手放してっ、」

「太一可愛い。ここも期待してヒクヒクしてるな」

臣クンの太くて骨ばった指が俺の先走りで濡れそぼった後孔にぐぷ、と音を立てて挿入ってくる。

陰茎の根元を握る手はそのままに、ナカをグチュグチュと掻き回されて、クイッと指を折り曲げ前立腺を擦ってくる臣クンに俺は瞳を潤ませねだった。

「あんっ…んっぁっ……ひぁ…あ、あ、もう、イキたい、臣クンの……おっきいのでイキたいよぉ…っ…」

「っ……やっぱり今日の太一は癒し効果抜群だな。俺、すげぇ元気になっちまった……力、抜いててな」

臣クンは素早くコンドームを装着すると俺のヒクヒクと収縮している後孔に自らの硬く膨張した陰茎を押し当て、一気に奥までズンっと突き上げてきた。

「あっ……んぁっ…!イッちゃうぅ……!んんっ…~~~~~~っ!!」

「…はは、挿れただけでイッたのか?本当に限界だったんだな……俺はまだだからもう少し頑張ってくれ」

ぱちゅんぱちゅんと何度も腰を打ち付けられ、俺は意識が飛びそうになりながらもその愛しい背中に腕を廻し快感に身を委ねた。

「…臣クン、キスして…?」

激しい律動の最中、俺は臣クンの頬に手を伸ばし頬の傷を撫でキスを求めた。

「キスすると、太一のナカが締まるから大変なんだよなぁ」

「…意地悪言わないで欲しいッス……そんな事言うなら、キス禁止令出すからね」

「はは、それは困るな。太一とキスできなくなるのは悲しいなぁ」

「…もぉ、本当に反省してる?」

ちゅ、と啄むような甘いキスが降ってくる。臣クン俺の事子供扱いしてる……?こんな時なのに。

何だか悔しくて俺の方から舌を挿し込むと、ぢゅううっと舌を吸われ背筋にゾクゾクと快感が押し寄せる。

キスだけで興奮が高まってしまい、思わずお尻に力が入る。

「…っく、太一……そんな締め付けたら……っ……っく……!!」

臣クンの放った欲の証をゴム越しに感じると、俺は臣クンの背中に両腕を廻し臣クンを強く強く抱き締めた。


「臣クン、してみたい体位とかプレイとかある?俺っち勉強するよ!」

「…太一?いきなりどうしたんだ?」

行為の後、臣クンの腕の中に収まりながら俺は臣クンに徐に問い掛けた。

「もっと臣クンに気持ち良くなってもらいたくて……はっ!こんなえっちな俺は嫌いッスか…?」

「…嫌いな訳無いだろ?太一の気持ち、凄く嬉しい」

「ほんと?へへっ、良かったあ」

臣クンは少しだけ考え込むと、俺の耳朶を甘く食みながら、低めの声で囁いた。

「太一のオナニーが見てみたいな」

「…へっ?おな、にー?」

「うん。太一がどんな風にオナニーするのか興味あるし、一人でシてるの見た後に意地悪しながら抱くってのも良いな」

にっこりと穏やかな笑みを浮かべながらつらつらと理想のシチュエーションを語る臣クンは何だか楽しそうだ。

臣クンのこんな穏やかな笑顔、久しぶりに見た気がする。

何だか無性に胸が温かくなって、俺は頬を赤らめながら微笑んだ。

「……オナニー見せるのは恥ずかしいけど、その後抱いてくれるなら俺っち……頑張るッス」

「本当か?嬉しいな……今日の太一、何だか普段よりも優しいな」

「臣クンを甘やかしたくて……でも結局今日は俺っちのが気持ち良くなっちゃったから、次はリベンジしたいッス」

「……充分甘やかされてるし、癒されてるよ。太一が傍に居てくれるだけで、俺はどんなに忙しくても頑張れるんだ」

ちゅ、と額にキスを落とされる。優しくて温かくて、涙が出る。

「…臣クンありがと。大好き……」

「俺も、太一が大好きだよ」


end.
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