No Title
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「名無しさん?」
「あはは、哀ちゃん久しぶりだね」
すごい形相で名無しに迫る哀。名無しは苦笑いを浮かべている。
久しぶりの名無しの阿笠邸の訪問に、第三者からは分かりづらいものの哀は喜びを感じていた。しかし、名無しの姿を見た哀は驚きのあまり固まってしまう。
目の下に浮かぶクマ、少しやつれた姿。見るからに具合悪そうな名無しに哀は詰め寄った。ここ一週間の食事、仕事内容、睡眠時間など。名無しの返答はどれも耳を疑うようなものばかりであった。
「睡眠もろくにとっていない、食事も栄養ドリンクやカップ麺ばかり!貴方、いつか死ぬわよ!?」
「誠に申し訳ありません……」
哀に怒鳴られ、縮こまる名無し。チラリとコナンに視線をよこすが、コナンはオレを巻き込むなと睨む。
哀は料理が出来ないわけじゃないんでしょうと、更に名無しに詰め寄った。名無しは哀の剣幕に気圧されながらも言葉を紡ぐ。
「出来ないわけじゃない。ただ、自分に作るとなるとやる気が出なくて……」
名無しは、ははっと乾いた笑みを漏らす。案の定、哀に睨まれた。
名無しは哀の説教を聞きながら、このままだと長引きそうだと呑気に考えてる。
もう一度、助けを求めるようにチラリとコナン視線を向けた。コナンは嫌そうに顔を顰めたが、しょうがないなといった風にため息をつく。
「そういえば、名無しさん」
コナンが話し出したことにより、哀の口が閉じる。
「梓さんが最近名無しさんの姿が見えないって寂しがってたぞ」
あからさまに話を変えようとするコナンを、哀はもの言いたげな目で見つめた。しかし、哀は諦めたようにため息をつく。
「……ポアロで栄養あるもの食べて、さっさと家に帰って寝なさいよ」
名無しに背を向け、素っ気なく告げる哀。名無しは哀の優しさに、胸がじんわりと温かくなるのを感じた。
「哀ちゃんありがとう。今度二人で買い物しようね」
哀は返事をする代わりにヒラヒラと手を振り、その場から退出する。
哀を見送ったあと、名無しはコナンに向き直った。コナンにお礼を告げ、彼の頭を優しく撫でる。
「ポアロ行こ。奢る」
「ああ」