人形の家
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「不審者だぁ!?」
茶髪の男性は驚いた様子で名無しを見る。
「ナル!あの時の!旧校舎の時のっ!!」
彼女はナルという美男子くんに訴えた。ナルは喧しそうに眉を寄せながら、名無しに視線を移す。
「……あの時、旧校舎の前に立っていた全身真っ黒の女性は方喰さんで間違いありませんか?」
はて旧校舎?名無しは顎に手を当てて記憶を辿る。
そういえばとある高校の校長が依頼しに来たっけな。
彼の問いに名無しは頷いた。
「間違いなくそれは私だろうね。うん、思い出した。
そこのお嬢さんとは少し話したような気がする」
そう言って彼女に視線を移すと、ビクッと肩を震わした。また怖がらせてしまったらしい。
「な、なんで依頼を断ったの……?」
彼女が恐る恐る尋ねた。名無しは特に隠す理由も無いので普通に答える。
「校長から既に、ゴーストハンター、坊主、巫女さん、エクソシスト、霊媒師に依頼していると聞いた。
こんなにもの心霊のスペシャリストがいるなら私は用無しかなと思って断った」
名無しは続ける。
「何でもうすぐ解決するかどうかわかったのかについては、私が見た感じ霊は感じられなかった。
霊のせいじゃないとしたら考えられるのは三つ。
建物の問題、土地の問題、人為的な問題のどれか。
原因がこの三つのどれかだとしたら、遅かれ早かれ解決するのは時間の問題だと考えた」
名無しは彼女に視線を移す。
「またねって言ったのは、何となくまた会いそうだなって思ったから。他意は無いよ。実際こうして会えたでしょ?」
にっこりと笑って見せれば、彼女は安心したようにソファーに腰を下ろした。
良かった。わかって貰えたようだ。名無しは胸を撫で下ろす。
「お騒がせして申し訳ありません」
心配そうにこちらを見つめる典子。不審そうにこちらを見つめる香奈。名無しはそんな二人に頭を下げる。
そして、これから一緒に調査していくであろう彼らに向き直った。
「改めて、祓い屋の方喰名無しだ。よろしく」
名無しはにっこり微笑んだ。