人形の家
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大きな家の前に佇む一人の女性。
夏だというのに、真っ黒の長袖とパンツスタイル。そして真っ黒の髪の毛にサングラスをかけている。
見ていて非常に暑苦しさを感じる服装だった。
彼女の名前は方喰名無し。
祓い屋である彼女は調査のため、この家の持ち主である森下家に足を運んだのだのであった。
名無しが家のチャイムを鳴らせば、依頼人である森下典子が出迎えてくれた。
「方喰です。暫くの間お邪魔になります」
「いえいえ。どうぞよろしくお願い致します」
名無しが頭を下げれば、典子も頭を下げる。
名無しは大きな鞄を片手に森下家にお邪魔した。
「……」
それにしても面白い。
サングラス越しではあるが、沢山の子供たちの姿が見えた。歳は八歳前後だろうか。
名無しがキョロキョロと辺りを見渡していると、典子は不思議そうにこちらを見ている。
「何かありました?」
「いえ、それにしても素敵なお家ですね」
こう伝えれば、典子は微笑む。
「ありがとうございます。
この家には私と義姉の香奈と姪の礼美がいます。兄は今、海外出張中で……」
居間に案内されている間、名無しは復習がてらに典子に状況を説明してもらう。
急に家具が揺れる、誰もいないのに音がする、ドアが勝手に開くなどなど。
状況からしてこの原因は、ここにいる子供たちだと思うのだが何かが引っかかる。
名無しは頭を悩ませていると、典子に声をかけられた。どうやら居間に到着したらしい。
「今から、義姉と姪、そして調査をしてくださっている皆さんをご紹介しますね」
そう言って典子さんは扉を開ける。
部屋に入れば、美少年に美人さんと個性が強そうな面々が揃っていた。
彼らの視線が名無しに突き刺さる。
「皆さん紹介します。方喰名無しさんです」
「こんにちは。森下典子さんから依頼を受けました方喰名無しです」
「どうぞよろしく」と言おうとしたが、女の子の声によって遮られてしまった。
「ああっ!!」
ソファーから立ち上がり、名無しを指さす女の子。
周りの人たちは何事だと彼女に視線がを移す。そして、彼女はこう叫んだ。
「あの時の不審者っ!!!」
「ふしんしゃ……?」
名無しは空気が凍りつくのを感じた。