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魔王を滅ぼした人魚のお話

「君が、僕を滅ぼすだって?」

マオが、信じられない、というように声を上げた。

「聖教会のトップですら倒せないのに、君が倒せる訳ないだろう」

まるで、面白い冗談だ、とでも言うかのような渇いた笑い声が上がる。

「えぇ……むしろ、魔王を滅ぼせるのはこの世界に私たった1人かと」

対するルフレも、不敵に笑ってみせる。
そう、まるで”確実な勝算”があるかのように。

「わかった、やってみてよ。君は僕に勝てないってこと、証明してあげるから」
「ふふ、では私は”魔王を滅ぼせる”ことを証明してみせます」

そう言い終わるやいなや、ルフレの体が白銀のオーラに包まれ始める。それはうねりながら彼女の身体を包み込むと一閃、魔力にその姿を転じる。

純白の髪が巻き上がる姿に夕日が差し込むのは、その場にそぐわず目を見張るほど美しかった。
思わずマオが息を呑む。
その現実離れした美しさに、思わずマオが臨戦態勢を取った。
 

刹那、
____パァンッ
極限まで膨張した魔力が、弾けた。
それは一瞬にして辺りへひろがり、世界中へその波を轟かせた。
まるで”殲滅”するかの如き威力であった。

世界中が、ほんの一瞬で白に塗り潰された。
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