世界の終演を君に。
『久しぶり……になるのかな』
「凪斗っ!?!?」
信じられなかった。凪斗は死んだ筈だ。声が聞こえるわけがない。話せるわけがない。
「……静かに。ただ聞いてて」
1度スマホをタップして芽依が言った。
「これは、録音だから。過去のものだから」
宥めるような声に、ハッと冷静になる。
そうか、録音か。冷静になると同時に、あの時からずっと胸の中で燻っているドス黒く大きな喪失感が蘇る。
「……いい。聞かない」
「……え?」
顔を背けて放った一言に、芽依が呆けた様な声を溢した。
「だから聞かないって言ってるんだよ!」
自分でも信じられないくらい、大きな声だった。
「そんなものが切り札?勝つ為の方法?笑わせるな!そんなの何の意味もない!」
「ちょっと待って、話を」
「黙れ!!」
こんなに感情的になるのは、気持ちが大きく動くのはいつぶりだっけ。
大声で怒鳴り散らしながら、どこか他人事の様にそう思った。
「そんなもの聞いてやるものか……聞いたって何したって無駄なだけだ!」
「そんなの聞かないうちから……」
「聞かないうちからわかるわけないって?わかるさ!だって、だって……」
必死に何かを言おうとする芽依の声を遮って、キッとその目を、眼下に広がる世界を睨みつける。
「何したって、凪斗はもう帰ってこないんだ!!」
気づけば、頬を涙が伝っていた。拭っても拭っても止まる気配のないそれに、視界がにじむ。
「聞かないくせに、偉そうに言わないでよ」
ずっと気圧された様に目を見開いていた芽依が、呟く様に声を溢す。
「忘れたの?勝負なんだよ、これは。貴方のためにこれを聞かせるなんてそんな優しいことしてあげるわけないでしょ」
ましてや、と芽依が続ける。
「聞きたくないって斗羽くんが言っただけで、切り札を捨てるわけないじゃない」
芽依のスマホから、ホワイトノイズの音が漏れる。
「切り札、使わせてもらうよ」
「凪斗っ!?!?」
信じられなかった。凪斗は死んだ筈だ。声が聞こえるわけがない。話せるわけがない。
「……静かに。ただ聞いてて」
1度スマホをタップして芽依が言った。
「これは、録音だから。過去のものだから」
宥めるような声に、ハッと冷静になる。
そうか、録音か。冷静になると同時に、あの時からずっと胸の中で燻っているドス黒く大きな喪失感が蘇る。
「……いい。聞かない」
「……え?」
顔を背けて放った一言に、芽依が呆けた様な声を溢した。
「だから聞かないって言ってるんだよ!」
自分でも信じられないくらい、大きな声だった。
「そんなものが切り札?勝つ為の方法?笑わせるな!そんなの何の意味もない!」
「ちょっと待って、話を」
「黙れ!!」
こんなに感情的になるのは、気持ちが大きく動くのはいつぶりだっけ。
大声で怒鳴り散らしながら、どこか他人事の様にそう思った。
「そんなもの聞いてやるものか……聞いたって何したって無駄なだけだ!」
「そんなの聞かないうちから……」
「聞かないうちからわかるわけないって?わかるさ!だって、だって……」
必死に何かを言おうとする芽依の声を遮って、キッとその目を、眼下に広がる世界を睨みつける。
「何したって、凪斗はもう帰ってこないんだ!!」
気づけば、頬を涙が伝っていた。拭っても拭っても止まる気配のないそれに、視界がにじむ。
「聞かないくせに、偉そうに言わないでよ」
ずっと気圧された様に目を見開いていた芽依が、呟く様に声を溢す。
「忘れたの?勝負なんだよ、これは。貴方のためにこれを聞かせるなんてそんな優しいことしてあげるわけないでしょ」
ましてや、と芽依が続ける。
「聞きたくないって斗羽くんが言っただけで、切り札を捨てるわけないじゃない」
芽依のスマホから、ホワイトノイズの音が漏れる。
「切り札、使わせてもらうよ」