はじまり
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土曜日
私は待ち合わせの時間より少し早く着いた
「ここが七頭龍神社かー。実物初めて見た」
周りは木々が多く、川のせせらぎが気持ちを穏やかにしてくれる
初めて来た神社だが、何処か懐かしい気持ちになる
「天気も良くてよかったー」
その時、右腕に何か冷たい物があたった。
「なんだろう?」
見てみると雫が右手をつたっていた。雨かと思い空を見上げた途端、一気に降りだしてきた
「空は晴れてるのに。酷い雨!どこか屋根のある所で雨宿りしなきゃ」
今日は1日晴れると天気予報で言っていたので、傘も持って来ていなかった。私は慌てて屋根のある神社の中に入った
「くみちゃんに中で待ってるって連絡しなきゃ」
くみちゃんの姿を探しながら、メッセージを打ち込む
その時、何か不自然な事に気付く
「そういえば今日土曜日なのに誰もいない。有名な神社だからもっと混んでると思ってたんだけどな」
参拝している人もいなければ、神主の人もいないのだ
少し気味が悪くなる。くみちゃんが早く来ないかきょろきょろと周りを見渡していた時
「ガサガサ」
「えっ?!誰?!」
草むらに何かが隠れている様だ
「...くみちゃん?」
そう呼び掛けると、その物音はどんどん遠くなっていく
「動物?猫かな。少し見に行ってみようかな」
そのままその音を頼りに着いて行く
「あまり神社から離れる様だったら戻ろう」
そう思った時だった
ぬかるみに足を取られ、転んでしまったのだ。
「うわっ!最悪。足が泥だらけ...」
泣きそうな気持ちで足をぬかるみから引っこ抜こうとするが、ビクともしない
「えっ。どうしよう。もーなんで追いかけようなんて思っちゃったんだろう」
自分の間抜けさに嫌気がさしていると、ぬかるみから誰かに足を捕まれた感覚があった。私の足を掴む"誰か"は私をどんどんぬかるみの中へと導いていく
「えっ!嘘でしょ?!ちょっと待ってよ!誰かー!誰かいませんかー?!誰か助けてー!」
焦れば焦るほど吸い込まれる速さは加速する。ぬかるみは遂に顔にまで到達し呼吸が出来なくなる。
息を止め、目を瞑り、そのまま意識を失った。