01 生存戦略
夢小説設定
設定ストーリーの都合上名前が複数出てくる為、
前世の名前以外は固定です。
以下、
エステル・ヴェセーラ(〜U.C.0068)
アラヤ・ストロム(U.C.0068〜)
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人々が寝静まる夜。
「エステル様、そろそろ戻りましょう。」
建物の屋上バルコニーから私達は薄暗い路地を見下ろしていた。
路地にはバーが1軒あるのみでとても静かだ。
「いいえ、待って。"すぐ"、ですから。」
トーマスに答えるのと同時に、バーの扉が開き、中から男女が現れた。カヴァデールと"例の女"だ。
「…お前は連邦の人間じゃない、そうだろう?」
「当たり前じゃない。」
女の腰を抱き、店の前から離れる。
「…あの日お前が会っていた"あの男"は、」
「…!!チッ!!」
"あの男"
その言葉を聞いた途端、女は目を見開いてカヴァデールを突き飛ばした。
「馬鹿ね。気付かなければ生かしてあげたのに…」
「お、おいっ、やめろっ…」
女はそっとスカートのスリット部分に手を伸ばし、隠していた小型の銃を構え始める。
「…」
私も上着の内ポケットから銃を取り出し構える。
「…!エステル様、何を…」
「しっ。静かに。」
薄暗い路地、私がいるのは2階建ての屋上バルコニー。
条件が悪い。…しかし、カヴァデールを殺されるわけにはいかない。
足…いや、腕か。…違う、威嚇射撃でいい。
「お前を信じていたんだ…!」
そう言いながらカヴァデールは懐に手を伸ばし、銃を取り出した。
震える手で銃口を女へと向ける。
「震えて撃てないじゃない?ふっ…」
「ゔあっ!!」
ガッ!!
女が彼の手を蹴り上げる。
その後ガシャリと重たい音を立てて彼の銃は弾き飛ばされた。
今度こそ、女がカヴァデールを撃とうとスライドを引き再び銃を構えた…そして、
バァアン!
「うっ…!!」
「…!!」
バタンと音を立て…女が倒れた。
「………」
私は、女を撃った。
硝煙をあげる銃を見つめる。
「エステル様!!!」
焦った顔のトーマスが見え、ハッとなってカヴァデールの朴を見た。
「ひ、ひぃぃ…」
無事だ。
私は何も言わず外階段から駆け下り、カヴァデールのところへ向かう。
「無事ですか。」
地面に倒れる女の呼吸をしゃがんで確かめる。
少しづつ血だまりができ始めているが、何とか息をしているようだ。
私はそっと息を吐く。
「あ、あんた……!!うぅぅ…助かった!!」
カヴァデールは顔をクシャクシャにして涙を流している。
「忠告した筈ですが。」
立ち上がりながら彼を見ると、涙を流しながら手を擦り合わせてこちらを見ている。
「私がっ、私が間違っていた…いや!間違っていましたっ!!!うう…」
神にすがる様に私に跪いて言った。
その様子に呆れていると、トーマスの私を呼ぶ声が聞こえた。
「エステル様!!」
「ん"のっ、ガキが!!」
トーマスの言葉に間髪入れずに女の怒りに満ちた声が響き、ズルズルと這うような音が聞こえる。
「…!!!」
"撃たれる"そう確信した瞬間、
ピキーーン!!
高い音と、アタマに電流が走ったような衝撃が襲いかかる。
女の方を振り返っている最中で、消して間に合わない筈なのに。
バァン!バァン!!!
私は振り返る勢いと共に、膝を曲げて仰け反る。
そして、自分の動きとは思えない程自然な流れでスライドを引いて後ろへ倒れながら女へ1発放った。
一瞬のこと。
女の放った弾は私の顔をスレスレで通り過ぎ、女は私の放った弾で胸を貫かれた。
「ゔあ"ぁっ…!!!」
私は尻もちをつく形で地面に衝突する。銃は撃った反動で飛んでしまった。
「…」
耳鳴りが酷い。心臓もバクバクと激しく鼓動を打つ。
…背中から倒れた女は血の海を作ったまま動かない。
何といえばいいのか。
薄暗く、視界が悪い筈なのに、目の前の赤だけはしっかりと認識できてしまう。
『しんじゃった?』
頭に声が響く。
キーン
ああ、耳鳴りが五月蝿くて堪らない。
「…〜っ…ま…!…ステル様!……エステル様!!」
揺さぶられた事によってハッとなる。
「…トーマス、」
ジンジンとした鈍い痛みが、肩や腕全体に広がる。
トーマスの肩越しに見た女は、目を開ききった状態で絶命していた。
私は、人を殺した。
「エステル様、大丈夫ですか!…無茶しないで下さい!!」
「ううう、エステル様!!!本当に、本当に!!!ありがとうございますぅ!!!」
「なっ、何なんですか!」
困惑するトーマスと、号泣しているカヴァデールの姿をぼーっと眺める。
「カヴァデールさん、後はお任せします。」
「エステル様…?」
私はゆっくりと立ち上がり、服に付いた砂を払い落とすと、カヴァデールに向けてさらに続けた。
「このお店の方も、口止めしておいて下さい。脅さず、冷静にお願いします。」
「は、はいっ!!お任せください!!」
身を守るために教わった事が、それ以上の結果を招いてしまった。
『ころしてしまったのね』
頭に幼い少女の声が響く。
私は………