北方水滸伝
焚火をかこむ三つの影があった。
「近々、禁軍が師範代募集をかけるらしい」
ぽつり、と呟いたのは修行僧の様な身なりをした大男だった。その一言に、他の二人は顔を上げ、お互いを見合わせた。
「おい魯智深、まさか受けろなどとふざけたことは言わないよな」
眉を潜め、そう聞き返したのは槍を抱えている男だった。もう一人の男は黙って魯智深と呼ばれた男を見つめている。
「ははは、相変わらず、勘が鋭いな林冲」
からからと笑う魯智深に、二人は同時に息を吐く。
「林冲が禁軍に行くなど、俺は反対だぞ兄者。あそこは、開封府は腐敗の原点と言える」
「武松の言う通りだ、俺は開封府などには行かん」
武松と林冲の反応に、困った困った、と呟く魯智深は楽しそうだった。
