北方水滸伝
「ああ。そうだな。なら、俺が新兵の調練をやろう」
「いつも、すまないな、穆弘」
「なんの。ところで、呉用殿。最近の穆春は……」
ああ。やはり、また来た。と呉用は思った。
「調練に遊撃隊が協力してくれて、助かった。感謝する」
「気にするな。お互い様さ。にしても、新兵はなかなか良い動きだったぞ。流石だな、穆弘」
「褒めすぎだ。ところで、史進。最近の穆春の事なのだが……」
ついに本題が来たな、と訳もなく史進は身構えた。
「久しぶりだな、穆春。どうだ最近は?」
「呉用殿。そうですね、ぼちぼちです」
「そうか。何か変わった事はないか?」
「?隊長といい、いつも気になっていたのですが、どうして、俺だけにそんな事を聞くんです?」
「いや、まあ。聞いておかないと、会話がままならない奴がいるのだ」
そう顔をしかめながら、お腹をさする呉用。穆春は、ああ、兄貴か。遠くを見つめ、独りごちた。
梁山泊は今日も晴れている。
