北方水滸伝


「林冲殿!」
「おう」

 林冲殿騎馬隊の駐屯地。隊長である林冲に一人の黒騎兵の兵士が弾ける笑顔で近づく。林冲はその兵士に柔らかな笑みを浮かべながら、話をしてる。


 そんな二人を遠くから眺める三人組がいた。一人は岩に座り、頬杖をついていた。ちらりと横で頭を抱える人物に視線を送り、ため息を溢しながら声をかけた。

「馬麟。顔がこわいぞ」
「索超よ、お前には分かるまい」

 あやつ禁軍にいたからと林冲殿に馴れ馴れしくしおって、と恨み言のようにぼそぼそと呟いている同僚に、索超は頭痛がした。となりに立っている郁保四に視線を向けるが、苦笑いされて終わった。


 索超は息を吐き、座っている馬麟の肩を軽く叩いた。



※我が家の馬麟は残念な人。
林冲を慕って、梁山泊入りした禁軍の兵とかいないかな。雷横と柏世みたいに。
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